秩父ワイナリー巡り


2015年11月上旬に埼玉県の秩父のワイナリーを周りました。
①秩父ファーマーズファクトリー兎田(うさぎだ)ワイナリー
②秩父ワイン
③シャトー秩父
の3件です。
埼玉の実家に帰ると父がよく、秩父ワインの源作印ワインを用意してくれていて馴染みがあったので、いずれ訪れてみたい地域でした。
今回、生後4ヶ月の娘を連れての初めての一泊旅に秩父を選びました!

◆①秩父ファーマーズファクトリー兎田ワイナリー
→テイスティングメモはこちら

まずは今年(2015年)の8月のオープンしたばかりの秩父ファーマーズファクトリーへ。
翌週の初めての収穫祭の仕込みでお忙しいなか、醸造責任者の井上雅夫氏が出迎えてくれました。

明るく人当たりの良い井上さんは、カリフォルニアのモーガンヒルやナパの KENZO ESTATEなどで17年のキャリアがあり、たまたま秩父にいたところ、ご縁があって、こちらの醸造担当になったそうです。
初めてのワインの仕込みの年で、しかも今年は台風が多くぶどうの色が出なかったり、玉割れするぶどうも多く、胃の痛い眠れない毎日が続いているそうです。。。
ぶどうの糖度は16-17度、補糖も行う予定だそうで、今年はロゼに力を入れたいとのことでした。
明るくお話して下さっていましたが…
初年度のワインの出来の評価は醸造担当の方にかかっているといっても過言ではないので心中お察しいたします。

ワイナリーの建物の裏手には2hの自社ぶどう畑があり、マスカットベリーAやメルロー、カベルネ、富士の夢、白はシャルドネ、セイベルを栽培しているそうです。
自社畑のぶどうを仕込みできるには、あと2年かかるそうです。
あとは契約農家で栽培しているぶどうも使用しています。
ちなにみワイナリー名の兎田(うさぎだ)は、この地域の住所です。

こちらは乳酸発酵中のマスカットベリーA。
朝昼晩押し潰して、種と皮の裏についているタンニンを抽出します。

このサーマルタンクでワインを-5℃まで冷却してワインに含まれる酒石酸を結晶化させて沈殿させ不純物を取り除いています。
手間のかかる作業だそうですが、ワイン内の不純物を嫌がる消費者もいるので必要な作業なようです。

ワインの樽は90%がフランス産、残り10%がアメリカ産。
アメリカ産の樽がわりと良いそうなので、同じワインをそれぞれの樽で仕込んで味の違いを試しているそうです。
アメリカ産の樽、あまり聞いたことがなかったので、その辺りのお話をもっとつっこんでお聞きしたかったです。。。
いろいろお話したなかで、一番印象的だったことが…
カリフォルニアで長く働いた経験から、どこのワインもロバート・パーカー氏好みの糖度が高くて濃くて甘いワインを作ろうとするのには賛成できない、とのご意見でした。
まさに同感です!!
影響力の強いパーカーのさじ加減ひとつで、アメリカのコーラの印象のような味のワインが世界的にもてはやされるのは、どうなのでしょうか?


さて、ワイナリーから数100m離れた場所に「釜の上農園村レストラン」とショップがあります。
そちらでランチをいただきました。

手作り感あふれるワインのオブジェ。

オムライス(左)とポークカツレツ釜の上風(右)をいただきました。
秩父産豚や季節の食材を使用したメニューで感じの良いワイナリーレストランでした。

ショップにはテイスティングコーナーがあり、秩父のお土産販売もしています。
こちらの「秩父ルージュ」は清酒の秩父錦のメーカーである八尾本店で委託生産されていましたが、国産ワインコンテストで6年続けて入賞したことから、今年2015年に深田和彦オーナーの自社醸造所「兎田ワイナリー」が誕生しました。

◆②秩父ワイン
→テイスティングメモはこちら

同じ秩父のワイナリーでも、誕生したてホヤホヤの兎田ワイナリーとは対照的に1936年(昭和11年)からワインを生産しているのが、「源作印ワイン」でおなじみの秩父ワインです。

1889年生まれの初代、浅見源作氏がぶどう作りを始めて、1959年にフランス人神父に「ボルドーの味」と賞賛されてから秩父の銘醸ワインとして評価されています。
秩父の寒暖の差が激しく、アルカリ性の土壌はぶどう栽培に適しているようです。
お嫁に出た娘さんが実家に戻り、その息子さんがワイナリーを引き継いでいるそうで、浅見姓は残っていませんが、現在も浅見源作氏の直系の方がワイン作りを続けています。

ショップ内も時代を感じさせるレトロな作りでワイナリーというより醸造所、という言葉が似合います。
今風なワイナリーへ建て替えるのではなく、このままの味をこれからも残していって欲しいです。

◆③シャトー秩父

こちらシャトー秩父は、秩父錦を生産する清酒メーカー矢尾本店がワイン作りも始めたので、ワイナリーというより「酒づくりの森」というお酒の専門店で販売されています。

店内のワインコーナーとテイスティングコーナー。

訪れた時も団体のバスツアー客の方々が来ていました。

紅葉シーズンの秩父のぶどう畑。
二粒のぶどうさんが残っていました。


今回3件のワイナリーを周って、購入してきたワイン達です。
東京から数時間で行ける埼玉県の秩父に老舗と新鋭のワイナリーがあり、気軽に訪れることができるので興味がある方は是非どうぞ!

◆秩父ミューズパーク

帰りにミューズパークを散策して紅葉狩りをしてきました☆

[pinomayu]

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