鬼怒川温泉でワイン飲み放題!
あけましておめでとうございます!といってももう2月。年末年始バタバタしていたwinebuff一家は、旅行に行く余裕もなかったのですが、何とか時間をやりくりして向かった今年最初の目的地は、何と老舗の温泉郷です。
東武特急の「リバティきぬ」に乗って2時間弱。着いたのは、鬼怒川温泉・・・。ではなく、ひとつ手前の「東武ワールドスクウェア」。ここ、特急が停まるのに簡素な無人駅なんですよね。駅名通り、ワールドスクエアに行く為の駅で、我々の最初の目的地です。
1993年に開園したこのパークは、世界21国に及ぶ100点以上の遺跡や建築物を25分の1スケールで再現したミニチュアランドで、企画・設計はあのゴジラで有名な東宝が、施工は、東武建設が担当したとのこと。
園内は、現代日本、アメリカ、エジプト、ヨーロッパ、日本を除くアジア、近代以前の日本の6つのゾーンに分けられています。この写真は、今は無きワールドトレードセンターとエンパイアステートビルです。
各ゾーンにはエジプトのピラミッドやエッフェル塔、バッキンガム宮殿など48の世界遺産登録物件を含む、合計102の有名建築物が展示されています。撮った後で気付いたのですが、この写真、ピラミッドとスフィンクスの背景にエッフェル塔が見切れていますね・・・。
バチカンのサン・ピエトロ大聖堂もありました。このミニチュアランドの凄いところは、建物だけでなく観光客等の人形も精巧に再現している点で、園内には14万体!もの人形がディスプレィされていました。
スペインの定番観光スポット、サグラダ・ファミリアは、ミニチュアでも相変わらずの工事中でした。一時間半ほどで足速に見て回りましたが、実物を見たことがあるものが結構ありました。それだけ、あちこち旅行に行っているということなんでしょうが、ひとつひとつに思い出があり感慨深い観光でした。
万里の長城は、小高い丘を模した斜面に造られていました。この他にも紹介しきれない位の有名建築物が所狭しと並べられ、まさに世界一周気分。また、有料ですが、ミニチュアの人形が行進したり、音楽が流れたり、列車が走ったりするギミックもあり(さすが東宝)、観光客を楽しませる仕掛けがそこかしこに備えられています。
そして最後は、お楽しみのお土産もの探し。ここは、ワールドショッパーズ「メルカドI」です。思ったよりたくさんのオリジナルグッズやフードが陳列されており、かなり目移りしますね。ちなみに、ワインブログなのになぜワールドスクエア?と思った方、ここにその答えがあります。
ショップの一角に(というかすみっこに)世界のお酒コーナーがあり、ドイツビールやハワイのカクテルなど世界の様々なアルコール類も並べられていました。もちろんフランスワインもあったのですが、むむっ、これは何でしょうか?東武ワールドスクエアのオリジナルワインですと!(わざとらしい・・・)もちろんここには葡萄畑も醸造施設もありませんので、委託醸造、乃至はただのラベル張り替えワインかもしれませんが。あまり時間も無かったのでとりあえず一本購入して後でゆっくりチェックすることに致します。
東武ワールドスクエアの隣駅が鬼怒川温泉駅です。鬼怒川温泉は、箱根や熱海と並んで「東京の奥座敷」と呼ばれ、最盛期には、年間300万人以上の宿泊客で賑わった著名な温泉郷です。ただ、近年は、バブル崩壊やコロナ禍などもあり100万人を割っているようで、廃墟ホテルがメディアに取り上げられるなど他の地域同様苦戦を強いられています。
鬼怒川温泉駅の駅舎は、軒の出に栃木県産の杉材が使われ、柱や壁には宇都宮市で採掘される大谷石が使われています。落ち着いた雰囲気の和モダンの建物はまだ新しく、一日に二千人の乗客を温かく迎えています。
駅前に広がる広場です。2017年のSL大樹の運行開始に合わせて駅舎や駅前広場が整備されました。写真には写っていませんが、広場では、鬼怒川温泉のマスコットキャラクター「鬼怒太」の黄金像がお出迎えしてくれました。ちょっと強面ですが、邪気を払い、福を招くという邪鬼をモチーフにした縁起の良い鬼だそうです。
さて、本日のお宿は、ここ「日光きぬ川ホテル三日月」です。1978年に当時の岡部グループが建てた「鬼怒川ホテルニュー岡部」を2009年にホテル三日月が譲り受けたもので、古き良き時代の大箱温泉宿です。駅徒歩2分の抜群の利便性と、100メートルもの広さを誇る温泉大回廊、一年中利用可能なガーデンスパで大人気のホテルです。
ホテルのお部屋は和洋折衷。35平米と十分な広さでリニューアルされているため古さも感じません。部屋の窓からは鬼怒川の勇壮な流れが一望できます。さて、色々と説明したいポイントはあるのですが、それは、他のブロガーの方々が既に書かれているのでそちらをご覧ください(おいおい)。winebuffのブログはあくまでワインブログ、ワインのことをメインに書かせて貰います。
しかし、日本酒や焼酎なら分かりますが、ワイナリーも無い地域の老舗の温泉宿でワインが飲めるのでしょうか。とりあえずやってきたのはバイキングディナー会場。実は、このブッフェディナー、飲み放題付きなんです。winebuffもこの種のバイキングは何度か利用したことがありますが、飲み放題付きは珍しく初めての体験です。
ホテルスタッフに頂いた会場マップには、ドリンクカウンターとドリンクコーナーがあり、カウンターの方にアルコール類が置かれているようです。見たところ、赤と白それぞれワインがありますね。ワイン以外にもビール、日本酒、焼酎、ウイスキー、カクテルと一通りのアルコール類が提供されています。
同時に渡された紙には、飲み放題のご利用時間が書かれていました。そう60分一本勝負!まあ、そうでしょうね。際限なく飲まれてた色々とホテル側も大変でしょうし。それならばグズグズしていられません。早速、ドリンクカウンターに向かいましょう。
カウンターは、こじんまりとしていますが、マップに書かれていたように一通りアルコール類が取り揃えてあります。写真に写っていませんが、右手反対側には、水やソーダ類のサーバーも設置してあり、カクテルやサワーを作る際に利用します。
ワインは、この赤白二種類のみ。バッグ・イン・ボックス発祥の地、オーストラリアの「Gold Seal Special Dry Red」と「Gold Seal Fresh Dry White」です。著名なワイナリーであるデ・ボルトリのワインですので不味い無いわけがない!赤は、シラー、カベルネ・フラン、メルローのブレンドで、白は、ゲヴェルツトラミネール、リースリング、セミヨン、シャルドネのブレンドです。白は、アルコール10.5%とかなり軽く、水のようにゴクゴク飲めます。赤は、12.5%なので思ったよりも飲みごたえがあり、よくある薄渋軽の安物ワインの味わいではありませんでした。
お隣は、カクテルで、ブルーハワイやソルティドッグ、ジントニックやカシスなどのボトルが鎮座ましましていました。左上には、ご丁寧にカクテルの作り方のポップまで用意されています。そのまた隣にはサントリーウイスキーがちょこんと置かれて・・・。
存在感のある大きな甕には、麦焼酎、芋焼酎、そして泡盛が。芋焼酎は、霧島酒造の人気銘柄「赤霧島」。麦焼酎は、これも有名な大分の二階堂酒造の「二階堂」。泡盛は、忠孝酒造の「夢航海」。数は少ないですが、ちゃんと抑えています。
日本酒は、これ一本!栃木の地酒、外池酒造の「燦爛(さんらん)」です。残念ながらwinebuffは、日本酒と相性が悪く、もう長く口にしていないので、ここでもスルーさせて頂きました。あと、ウイスキーも苦手で悪酔いしてしまうのでパスです。アルコール自体はいける方なのですが、色々と飲めないお酒もあります。
ですので、専らデ・ボルトリの赤ワインをお供にディナーです。酒飲みですので、食事は、酒のつまみ系で揃えてみました。このブッフェディナーは、本当に種類が豊富で、ステーキを目の前で焼いてくれたり、栃木名物のコーナーで餃子やラーメンが頂けたりします。お寿司も色々ありましたし、カレーやシチュー、それからデザートも各種と充実したメニューにwinebuff一行も大満足しました。
調子に乗ったwinebuff。ポップに書かれていたワインカクテルにも挑戦しました。と言っても、ただ赤ワインにコーラを混ぜるだけなのですが。飲んだ感想は、アルコールの入ったコーラで、赤ワインの味はどこかに飛んでいってしまってます・・・。
60分はあっという間に過ぎてしまい、部屋に戻って二回戦の開始です。早速、ワールドスクエアで購入した赤ワインを開けて飲みました。オリジナルラベルには、アルコール度数すら記述していなかったのですが、裏面を見ると、「Chevalier du Franc Terroir Rouge」とあり、VIN DE FRANCEのワインのようです。少し調べてみると、オリジナルラベルのワインが他にもあるようで、その種のワインの御用達ブランドのようでした。味は、先ほどの赤ワインといい勝負で、こちらも思ったよりも美味しく飲めました。軽いので部屋の畳に座って手酌で飲んでいるとあっという間に空に・・・。
今回は、今までと違い、その土地特有のワインも地場に根ざしたワイナリーも何もありませんでしたが、どこに行ってもそれなりにワインが楽しめる日常に改めて気付かされると同時に、恵まれた環境に感謝の気持ちを感じました。ささやかなワインの旅はこれでおしまい。次は、もっと本格的な旅がしたいと目論むwinebuffでした。
[winebuff]