お久しぶりです、winebuffです。
世の中、色々と大変な時期ですが、みなさん如何お過ごしですか?winebuff達は幸いみな無事で、新しい生活様式に馴染むべく日々頑張っています。この春は、自粛モードでStay home生活を続けていたのですが、緊急事態宣言が解除された後、初夏に(おそるおそる)八ヶ岳に行って参りました。
新宿から特急あずさ号に乗って二時間弱。着いた所は山梨県の小渕沢駅。ここに日本ではまだ珍しいワインリゾートなるものがあるとの事。海外では、あちこちに同種のリゾートがあるのですが、ここ日本ではまだまだメジャーな存在ではなく、殆ど聞いた事がありませんでした。
今回は、レンタカーを調達せず、全て電車とバスで移動しました。普段のワイナリー巡りは、ぶどう畑が人里離れた山中にある事も多く、自由に動かせる車が無いとかなり不便なのですが、ここは、滞在型のワイナリーリゾートで、送迎を含めたサービスも充実しており、電車&バスというお手軽かつリーズナブルなオプションをチョイス。
送迎バスにホテル名が書いてあるのでもう分かりましたね(笑)。そうです、winebuff一行が訪れたのは「リゾナーレ八ヶ岳」です。ご存知の通り、経営破綻したマイカルが所有していた会員制ホテル「リゾナーレ小淵沢」を星野リゾートが買取り、一般客向けに改装したリゾートホテルです。バブル期に某有名イタリア人デザイナーがデザインしただけあって、やや老朽化が目立つものの他にない個性的な佇まいです。遠くに見えるのが、そのデザイナーの名を冠した15mの「ベリーニタワー」です。
さて、winebuffは、15時のチェックインを待たずして、ワインリゾートの真髄に触れるべく?、早速「アクティビティセンター」にやって参りました。ここでは、八ヶ岳の豊かな自然を満喫する様々なアクティビティが用意されているのですが、迷わず「葡萄畑アペロ」を選択。アペロとは、フランス語の「アペリティフ(食前酒)」の口語的表現で、食事の前にお酒を楽しむことを意味するそうです。夕食前にぶどう畑で食前酒のワインを頂くという何とも優雅なツアー、参加しない手はありません。子供NGのアクティビティなのでwinebuff単身で乗り込んで行きます!
ホテル近隣にある「小牧ヴィンヤード」にて開催されるとの事で、玄関で送迎バスを待っていると、何やら係員の方が緊張した面持ちで右往左往。よく分かりませんが手違いがあったようで、同ツアーに参加される他の方々がタクシーで移動していった後に、winebuffが何故かポツンと一人取り残されました。やや不安に感じていたところ、小型のジープがやってきて「winebuff様ですね」とピックアップ。
話をすると、この方、何と小牧ヴィンヤードのオーナー、小牧康伸さんでした。開催直前に急遽他の方の申し込みがあって、手配に手間取ったとのこと。車内では、オーナーから色々と貴重なお話をお伺いしました。車で5分程度移動すると直ぐに畑に到着。先着されていた方々と合流して早速ツアーの開始です。
表が住居兼カフェの建物の様で、裏手に畑が広がっています。八ヶ岳の南麓、甲斐駒ヶ岳を間近に望む標高820mの高地に約1haの畑があります。2005年から少しづつ植樹をし、ご夫婦二人で年間3,300本のワインを収穫出来るまでに育ててこられました。自然農法に拘り、補糖、補酸は一切無しで、農薬はボルドー液のみ。主力は、赤で品種は、メルロー、バルベーラ(珍しい!)、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、そしてソーヴィニヨン・ブラン。
建物の裏手には、畑の他にこのような大型テントもありました。これは、「ヴィンヤード グランピング」だそうで、いわゆるアグリツーリズモの一種。1日1組限定で、葡萄畑や自然に親しみながらゆっくりと休暇を過ごす宿泊付のアクティビティだそうです。昼は、栽培体験やワインセミナー、ヴィンヤード・ヨガ等を楽しみ、夜は星空を眺めながら焚き火を囲みワインを楽しむ。日本でもこういったサービスが体験出来る様になったんだなとwinebuffも感慨一入です。
畑に入る前に、この様なシューズカバーを頂きました。靴が汚れないようにとの配慮ですが、そういえば、winebuff、今まで国内外の多くのワイナリーを巡ってきましたが、シューズカバーまで用意して頂いたのは、今回が初めてです。ちょっと感激。
オーナー自ら、小牧ヴィンヤードの説明をして頂きました。写真を見て少し違和感を感じる人もいるかもしれません。家族経営のワイナリーでは、オーナーと言えども作業着等のラフな格好が定番です。畑で働くのですからスーツ姿の人は、ほどんどいません。しかし、この格好と言えば・・・。
そう、ソムリエですよね。実は、オーナーの小牧さんは、元は30年の経験を持つシニアソムリエで、かの有名な帝国ホテルにもお勤めだったとの事。2003年に地元山梨にUターンして、念願のワイン作りを始められたそうです。ツアー中のホスピタリティも素晴らしく、さすがソムリエと感心しました。
7月なので、葡萄はまだまだ青く硬い粒の状態です。葉っぱが白くなっているのは、ボルドー液を散布した影響です。この旅行は雨が多くて鬱陶しい天気だったのですが、このツアー中に突然晴れ渡り、とても強い日差しに見舞われました。オーナー曰く、この地は、雨が比較的少なく、寒暖差もあってぶどう育成には好都合の土地だとの事。
ワイン用葡萄の他にも、生食用ぶどうやこの写真のようなキウイも栽培しているとのことでした。やはりワインだけでは、採算的に厳しいらしく、高級果物は、小規模農家には欠かせない収入源になっているようです。余談ですが、生食用のぶどうは一粒を大きくするために、かなり一房当たりの粒を制限する(落とす)みたいで、まだ青い未成熟の葡萄を見せて頂くと、殆どスカスカの状態でした。
さあ、畑を一回りし、一通り説明が終わると、お待ちかねのワインの試飲タイムです。庭に設置したテントで(ソーシャルディスタンスを守って)ワインを頂きます。ソーヴィニヨン・ブランの白ワインは屋外で、ボルドーブレンドの赤ワインは、屋内で頂きます。
流石、シニアソムリエ、サーブも完璧。ワインの説明をしながら手際よく注いでいきます。この「Prologue ソーヴィニヨン・ブラン」は、品種由来の性格が良く出ており、自然派ワインという事もあって、優しくふっくらとした味わいでした。決してコクが豊かとかキレがあってゴクゴク飲めるというワインではありませんが、落ち着いて長く飲める良いワインでした。
さて、白ワインを楽しんだ後は、屋内に移動し、小牧ヴィンヤードのコミュニケーションスポットでもある「ワインカフェ・メルル」で赤ワインを頂きます。
ここでもソーシャルディスタンスを守ってテーブルが配置されており、winebuffは一番の上席、窓際の畑が一望出来るテラス席に案内して頂きました。
この赤ワインもPrologueと名付けられたメルロー&カベルネ・フランのブレンドです。説明が遅れましたが、ここはあくまで「ヴィンヤード」であり「ワイナリー」ではありません。要は醸造設備を自分で持たず、他社に委託醸造しているという意味です。白はルミエール、赤はくらむぼんワイナリーに委託しているとお聞きしました。屋内では美味しいチーズと一緒にテイスティング。赤ワインも全体的に優しく落ち着いたミディアムボディで、醸造会社というより作り手の性格がワイン作りに反映されている事が良く分かります。
小牧さん、どうもありがとうございました。とても楽しいひと時を過ごす事ができました。もう皆は、チェックインを済ませている頃でしょう。winebuffは、初リリースのバルベーラの赤を一本購入した後、再度オーナーのジープでホテルへと帰還いたしました。
さて、夕食時になりました。食前酒をきこしめして良い気分になったwinebuffを先頭に一行は、ピーマン通りにあるイタリアンレストラン「VINOTECA」にやって来ました。今晩は、ここで日本ワインを頂きながらカジュアルなイタリア料理を頂こうと目論んでいたのですが、久々に出たwinebuff娘の「もう眠い」アタックであえなくテイクアウトにチェンジ。
しかし、転んでもただは起きない?winebuff、ようしそれならと「YATSUGATAKE Wine house」へ足を運びました。ここに、ボトルに詰めたワインとワインと合うスナックを入れて部屋へ持ち帰れる「VINO BOX」というサービスがあるのを事前にチェックしていたのです。宿泊者限定のドメーヌ ミエ・イケノのピノ・ノワールと燻製したナッツ&ぶどうチョコを購入し、早速「VINO BOX」にして下さいとリクエスト。
ワインダイアリーのテイスティングメモ
あれ、写真で見たのとちょっと違うなと思ったら、これは新サービス「VINO BAG」でした。店員さんにお聞きすると、VINO BOXは木製なのでちょっと重いとの事。それで革製のBAGを導入されたと、由来を説明頂きました。
テイクアウトにすると容器も使い捨てになり、あまり写真映えが良くありませんが、お料理は総じて美味しかったです。特に野菜は、土地のものでしょうか、東京で食べるのとはレベルが違う、素材の良さが生かされた新鮮かつ味わい深いものでした。
流石ワインリゾート、ワイングラスとオープナー完備です。しかし、部屋の内装もボルドーカラーという説明だったのですが、winebuff達の部屋はいたって普通の内装でした・・・。その2に続く。
[winebuff]
はいさい、沖縄!
お久しぶりのwinebuffです。今回、我々は、ワイン不毛の地(済みません)と呼ばれる沖縄に行ってきました。沖縄のお酒と言えば、そう泡盛。米を原料とした蒸留酒の一種で、多種多様なものがあり、お土産にも重宝されています。その他、オリオンビールや、フルーツを使ったリキュールやカクテルなども有名ですね。でもワインは、どうでしょうか?最近では、New Latitude Wineと称して、今までワインが作られなかったタイやインドネシアなどの東南アジアでもワイン作りが盛んになっています。
沖縄は、東南アジアほど暑くはありませんし、もっと南の台湾でもワイナリーがある位ですから、きっと沖縄でもワインも飲めるはず。そう思うと居ても立っても居られず、沖縄へと足を運ぶ事になりました。(ちょっと経緯は違いますが、まあそんな感じでご理解ください。)
winebuff一行がやってきたのは、ここ「シェラトン沖縄サンマリーナリゾート」です。空港からは車で1時間と離れているのですが、小さい子連れのファミリーに最適のホテルで、子供が楽しめる施設やアクテビティがとても充実しています。ここならばwinebuff娘も不満はありますまい。実際、部屋も快適で食事も美味しく、ホスピタリティも良く、値段が高い事を除けば、大満足なホテルでした。
ロビーには、池があり、フグやヒトデを含む色々な魚が飼育されており、餌をあげる事も可能です。ここでは、紹介しませんが、毎夜2回づつプロジェクションマッピングのショーがあり、華麗な光のショーも堪能しました。
シェラトン沖縄もリゾートホテルですので、もちろんレストランやバーもあります。ワインバーではありませんが、オーシャンフロントのバーが中庭の一番奥にあり、到着した日に早速行ってみました。若いバーテンダーの方が一人でカウンターに立っており、シーズンオフだからでしょうか、客もおらず手持ち無沙汰にしていました。グラスワインの赤は2種類で、チリのカベルネ&カルメネール、ラングドックのシラーです。winebuffは、とりあえずチリの方をグラスで注文。
沖縄は、東京と比べるとかなり暑く湿気も多いので、ワインのコンディションには、不安があったのですが、結論から言うとコンディションはとても良かったです。安心しました。チリのこのワインも価格的にはリーズナブルなのですが、フレッシュで十分な果実味があり、飲みごたえもありました。後半、やや渋みが気になりましたが、総じて優秀、コスパ良しでした。
2杯目は、ラングドックのシラーをチョイス。ペイドックのカジュアルなワインですが、これもしっかりした骨太な味わいで、チリのワイン同様楽しめます。国や品種は違うのですが、味作りは似ているなと思ったら、どちらもバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドのブランドでした。やはり、フィロソフィーが同じだとワインの性格も似通うということなのでしょうか。何れにせよ、寝酒に最適。移動の多いバタバタした1日の終わりにほっと一息付けた瞬間でした。
さてさて、翌日は、沖縄のワインショップへ足を運びました。事前に調べてみたのですが、やはりというかワインショップ自体は、他の都道府県に比較すると少なめな印象で、イオンリカーやカルディなどの大手も参入しているようですが、かなり偏りがあるようです。具体的に言うと、お店が那覇地区に集中しているようで、恩納村の方面にいるwinebuffは、少々厳しい状況です。
しかし、運良く良いお店が見つかりました。ホテルから車で20分くらいのところにナチュラルワインがメインの本格的なワインショップがあったのです。「ワイン店 un deux trois」です。
ワイン店 un deux trois
〒904-0305沖縄県中頭郡読谷村都屋237-4
店内は、それほど広くはないのですが、オーナーこだわりのワインがずらりと陳列されています。よく見ると、メジャーなワインは一本もなく、他のお店では見ないレアなワインばかりです。特にラベルが個性的で、楽しい(不思議な)イラストが描かれたものが多かった印象がありました。店名がフランス語だったので、フランスワインがメインかと思いきや、イタリアやドイツ、オーストリア、日本など国にこだわらず様々な種類のワインがありました。
winebuffが訪問した際にも、カウンターで試飲しているグループを見かけました。ここは、夜には「reste en or 」という名のワインバーになるそうで、選りすぐりのナチュラルワインにベストマッチするチーズやフードなどが楽しめるそうです。土日限定で洋菓子の販売もあったり他店を巻き込んでイベントを開催したり、うーむ、ただのワインショップではありません。
ナチュラルワインを飲むと生産者の顔が浮かぶ、とオーナーは仰っていましたが、winebuff的には、ワインを見るだけで生産者の顔が浮かびます。というか、生産者の写真がワインのポップに貼り付けてあるので分かっただけですが・・・。
オーナーは、一見穏やかそうに見えますが、ワインに関してはかなりの思い入れがある情熱的な方で、今の日本のワイン文化についても色々と意見をお持ちで熱く語って頂きました。確かに東京でも殆どのワインショップが有名所のワインをメインにしていたり、評価・点数の高いワインや話題になったワインを何とか捌こうと必死になっています。ワインのコンディションはもとより売った後の事など御構い無しというお店が殆どです。ここのオーナーさんは、日本のワイン文化を長くに渡って根付かせるために自分に何ができるかを真剣に考えている、とても素晴らしいお店でした。
今回、購入したのはこの二本です。この二本は、それぞれ違うワイナリーのワインなのですが、シチリアに住む兄弟が別々に作っているとの事。こちらは、アレッサンドロ・ヴィオラ、弟さんの作ったオレンジワインで、オレンジワインを飲んだ事が無いと言ったところ、オーナーが入門編には最適ですとリコメンドして下さいました。優しく素朴な味わいにとても好印象を持ちました。
テイスティングメモ
お兄さんのアルド・ヴィオラは、情熱的でフルボディなワインを作られるとの事。本格派のしっかり赤が飲みたいとのリクエストにオーナーがセレクトしてくれました。主力品種はこのシラーで、兄弟が共有している畑とは別の場所「フェウド・グアリーニ」の畑で作られるプレステージワインです。ナパやチリのシラーの様な果実味を全面に押し出したいわゆる濃甘ワインでは無いのですが、バランスも良く大満足でした。
テイスティングメモ
さらに次の日、今度はいよいよ沖縄のワイナリーに訪問しました。日本最南端のワイナリーと称するワイナリー、どんなところなのでしょうか?蒸し暑い気候ですから、カベルネかシラーか、はたまた日本品種のベーリーAかと思いきや、何とフルーツワイン!確かに日本の酒税法による酒類の分類としては、果実を原料として発酵させたもの (醸造酒) を果実酒として定義しており、ぶどうのワインもパイナップルのワインも同じ果実酒です。しかしEUでは、「ワイン」は法的にブドウ果汁を発酵させたもののみと定義されています。うーむ、これはこれは...。因みにwinebuff的にもワインはぶどうから作られたものと考えており、シードルですら除外していますが、まあいいでしょう。どんなところか、とりあえず行ってみましょうか。
というわけで、沖縄本島の南端にある「うちなーファーム」にやってきました。なになに、「ふれあい観光農園」とな。入り口の看板によると色々な動物が飼育されているようです。
と思ったのですが、園内に入ると「どきどきガジュマルンチャー」の看板が幅を利かせており、ワイナリーはおろか動物もいません。遠くにバギーが数台駐車しているのが見えますが、アウトドア体験のイベントでもあるのでしょうか、はて。
とここで、衝撃的な事実が判明しました!(というか事前にある程度把握しておりましたが、話の流れでこんな感じに。どうかご了承下さい。)何と、うちなーファームの主力サービスである動物展示は、すでに終了しているとの事。経営が厳しかったのでしょうか?確かに本島の南端で空港や街からも離れており、立地が良いとはお世辞にも言えませんが。売店はやっているとの旨記載があったので、気を取り直して進みます。
売店というか、どうやら「ワイン館」なるものが存在するようです。薄汚れた看板にぞんざいな矢印の紙がやや不安を喚起しますが、構わず進みます。
矢印に従って進むと、さらにこんな紙が貼ってありました。フルーツワインは良しとして、甲州ワイン?、日本酒??どういう事でしょうか、ちょっと理解できません。
不安が更に増しますが、もうワイン館は目の前です。清水の舞台から飛び降りるつもりで(大げさな・・・)館内に飛び込みました!
中は、誰もおらずシーンとしていますが、いたって普通のお店のようです。ただ、今回あえて写さなかった館内の右手は、何も無くガランとしていました。規模縮小の影響でしょうか、売店としては、館内の左手のみ使用しているようでした。
左手奥の壁に”現存する日本最古のワイナリー”とデカデカと貼ってあったので、一瞬、「そうか沖縄のフルーツワインはそんなに歴史があったのか、バカにしてごめんなさい(おいおい)」と思いましたが、違っていました。先ほどの、なぜ甲州ワインが置いてあるのかという疑問にも関連しているのですが、奥から出てきた店員さんに話を聞いてその訳を知りました。
もともと、この「うちなーファーム」は、第三セクターで、沖縄の地方公共団体と那覇市内の民間業者が経営していたそうです。しかし経営が上手くいかず、結局、企業再生支援グループのグループレゾンに売却したそうです。そのグループは、ホテルやゴルフ場、ワイナリー等を手がけており、そのうちの一つにマルキワイナリーがあったため、こういったコラボが実現したそうです。
それは、ともかく肝心のフルーツワインはというと、ありました、ありました!マンゴーにパッションフルーツ、アセロラにシークワーサー。どのボトルにもJapan Wine Challengeのシールがベタベタ貼ってあるので、どのワインも評価が高いのでしょう。
おっと、これは凄い。フルーツワイン部門で世界一とな。JWCは、アジア最大級のワインコンクールですし、世界一ともなるとこれは期待が持てそうです。たかが甘いアルコールジュースと軽くみていた(これこれ)winebuffもちょっと真剣になりました。
店員さんのご意見を参考に、一番人気のマンゴーワインを1本購入しました。フルーツワインのため、ワインダイアリーには登録しませんでしたが、ホテルに帰ってから試飲し、そのクオリティに関心しました。甘いのは甘いのですが、甘ったるくはなく、アルコール度数も8%あります。デザートワインほど果実味が凝縮しているわけでも無いので、冷やしてグビグビ飲んでも良いかもしれません。氷で割っても良いのではと思いました。暑い沖縄には、とても良く合う爽やかなワイン。日常、この種のワインを飲まないwinebuffも「フルーツワインもありかも」と思わせるほどのクオリティでした。
番外編:終了したうちなーファームの動物展示ですが、この二匹の島ヤギさん達だけは、かろうじて?残っていました。展示と言えるかどうか微妙なほど放置されていますが、反対に人目を気にせず触れ合う事が出来ます。
一見、大人しそうなヤギさん達、一生懸命草を食んでいました。何とか餌をあげようとあまりにしつこく付きまとったwinebuff娘は、最後にヤギにドン突きされてショックを受けておりましたが・・・。
今回は、あまりワインに馴染みが無いだろうと(勝手に)想像していた沖縄でワインを楽しみました。少しお堅い話ですが、2016年度の国税庁の統計情報によると、ワイン(果実酒)消費量ランキングで沖縄は18位だそうです。それからすると、沖縄、ワイン結構飲まれているなと思ったのですが、これはアメリカ文化が比較的浸透している土地柄も影響しているのでしょうか?理由はともあれ、沖縄でもワインは楽しく飲めましたし、新しい発見もありました。これに味をしめ?、新しいワインスポットの開拓に今後も勤しみたいと思うwinebuffでした。
ではでは。またやーさい!
[winebuff]
さて、ハウステンボス内のホテルに宿泊した次の日、今度は、真っ昼間からワインを飲むべく、ワイン城へと足を運びました。Goldコースは、前回お話したように、ショップ内のサーバーから10種類(プラスチック小カップに10杯)と、店外屋台のワイン90種類飲み放題のセットです。ショップ内のワインは、昨日めぼしいものは飲んだので、専ら90種類のワインを試飲していきます。
今回、飲みながらふと思ったのですが、劣化防止機能付きワインサーバーのワインと屋台の野ざらしワイン、明らかにサーバーのワインの方が高級で値段も高いのですが、屋台の安いワインの方が全体的に美味しく感じました。ワイン個別の味という訳ではなく、ぶっちゃけ、劣化防止といってるけど劣化してるんじゃないの?という疑問です。サーバーのワインは、野ざらしにしておいた際の劣化と異なり、高温による過熟成の劣化でなく化学変化?による劣化の様な感じです。あくまでwinebuff個人の感想ですので、どうかご容赦ください。
本日の一本目は、ハウステンボスオリジナルワイン「プライベート キュヴェ ルージュ」です。バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドとのコラボって言ってますが、要は、ACボルドーのオリジナルラベルか?味わいは、まあ普通の金賞受賞ワインレベル。可もなく不可もなくといった感じでした。
お次は、オーストラリアワイン、「テナシティ オールド・ヴァイン シラーズ」です。オーストラリアのシラーズは、低価格帯では、特に補糖のし過ぎ?で平板で甘い系の味が多いのですが、これは中々まとまっています。濃過ぎず薄過ぎず、まろやかであまり人工的でないぶどう本来の味わいを上手く引き出している印象でした。
あちこち飛びますが、今度はスペインワイン、「グランバホス トロ」です。テンプラ二ーリョ100%で、スペインワインにありがちなバニラ香がたっぷり。濃甘系ですが、この価格帯ですので飲み疲れる事はなさそうです。デイリーワインとして考えるなら有りかな、と思いました。
バイヤーセレクションは、色々な国から満遍なくセレクトしているのでしょうか?4本目に選んだのは、アメリカはソノマのワイン、「ブエナ・ヴィスタ・ソノマ・ピノ・ノワール」です。本家のブルピノがエレガントで繊細な味わいなのに対し、新大陸のピノは、素朴で大らかなイメージ。このワインもやや酸味苦味が気になったのですが、総じて大人しめでバランス重視。値段もピノとしては手頃で、ピノファンには嬉しい限りです。
同じアメリカのソノマですが、今度は、アレクサンダーバレーの「リース・カベルネ・ソーヴィニヨン」です。カリカベですから基本濃厚なフルボディが多いのですが、このワインは、しっかりした骨格を持ちながらも、ミネラリーでスパイシーといった個性的な味わいがありました。樽香由来の甘いバニラ香も印象的でした。
バイヤーセレクション最後のワインは、フランス産の「ドメーヌ サン・ニコラ ギャム・アン・メ ルージュ」です。ロワール地方のガメイ100%のビオワイン。ガメイと言ってもボジョレーヌーボーの様な軽くで泥臭い(すみません)ワインではなく、洗練された味わいで果実味も十分。やや酸味が気になったのですが、バランスはそんなに悪くはなかったです。
ワインの城のお店の裏手は通路になっていて、この様に屋台と椅子&テーブルが配置されています。普通に人も行き交っているのですが、みな全く気にする素振りもみせません。今日は、良い天気で暑くも寒くもなく、屋外で飲むには絶好のコンディション。お客さんも入れ替わり立ち替わり、幅広い年代の方々がワインを楽しんでいました。
反対側を見ると、このように立ち飲み用テーブルがいくつか配置されていました。winebuffは、ワインだけだったのですが、どうやら近隣のお店からテイクアウトをしてきて、ワインと一緒にゆっくりマリアージュを楽しんでいる人もいたようで、様々な制約条件?を抱えるwinebuffとしては、ちょっと羨ましく感じました。
そんなこんなでワインの精力的な試飲による判断力の低下が生じていた時(要は、酔っ払ってボーとしていただけですが)、なにやら店員さんが声を上げながら歩いているのにふと気づきました。離れていたせいか何度聞いても内容がよく理解できなかったので、仕方なく店員さんにトボトボついていくと、少し離れた場所でワインセミナーが始まるという事がようやく分かりました。
こう見えても素人なりにワインのことをまあまあ知っているwinebuff。今更、こんな初心者向けセミナーに参加してもな、と最初は思ったのですが、珍しいポルトガルワインのセミナーと聞いて、興味が湧いてきました。ポルトガルと言えば酒精強化のポート、マデイラワイン位しか知りません。今回は、普通の赤、白ワインの話という事だったので、開催前から椅子に座って大人しく待ちました。
「まあ、小難しい話は兎も角、取り敢えず飲みましょう。」と捌けた講師の方の音頭で、キンキンに冷やした白ワインで乾杯。「この中でポルトガルに行かれた方は?」と聞かれたのですが、様々な国のワイナリーに行った事があるwinebuffでも手が上げられませんでした。もちろん誰も手を上げてませんでしたが・・・。ここでは、詳細は省きますが、あまり知らなかったポルトガルワインの色々な話が聞けてとても有意義なセミナーでした。先入観で判断してはいけませんね。
ともあれ、二日間に渡って参加したワイン祭りはこれにて終幕。単に飲んでただけだろうというご批判もあると思いますが、この様なテーマパークで行われるワインイベントには初参加だったので、新鮮味があり楽しかったです。ゴリゴリ?のワインイベントと違って、ワイン初心者も抵抗なく参加できるゆるい雰囲気も良いな、と思った次第です。
ではまた次のブログでお会いしましょう!
[winebuff]
今年は、精力的に(といっても月一にも満たないのですが)ブログを更新するwinebuffです。今回は、長崎のハウステンボスにやって来ました。ワインブログなのになぜ長崎?と思った方、なかなか鋭いですね。実は、ハウステンボスでワイン祭りのイベントを開催しており、これは!と思って参加した次第です。秋は、葡萄の収穫時期でもあり、ワインイベントが全国的に多数行われているのですが、山梨や長野、北海道と行った銘醸地ではなく、あえて南の九州の地を選んだのは、意味があります!家族全員が楽しめて、かつワインが昼間から堂々と飲める所と言えばここしかなかったのです。(嘘)
とまあ、能書きはさておき、羽田から長崎空港にやってきたwinebuff一行は、ターミナル直結の船着場にやってきました。もちろん電車やバス等でも行く事が可能なのですが、直接ハウステンボスのハーバーに行く船便もあり、我々が宿泊するホテルがハーバー側にあったため、迷わず即決!ターミナルから少し(というか結構)歩きますが、取りあえず雨に濡れる事もなく高速船が係留されている港にたどり着きました。
外から見ると速そうな船なのですが、船内に腐食した木造部分があったり、操縦席のモニターが巨大なブラウン管?みたいだったりと、結構年季が入っています。一抹の不安を感じながらも出発。
・・・。・・・。・・・。
トッテモウルサイデス。
高速船と聞いていたので、ジェットフォイルの様なものを想像していたのですが、これは普通の船です。普通の船が頑張って走っているだけなので、波を切る音がうるさく、かつガツンガツンと衝撃が来ます。聞くところによると速度は30ノット(時速約55km)程度で、時速100km位出ると思っていたwinebuffには、ちょっと物足りない感じでした。
(*国土交通省海事局によると、航海速力22ノット以上の船舶を高速船と呼ぶそうです。)
1時間弱で目的地のハウステンボスに到着。海側から見るハウステンボスは、非常に大きく、一つの街のようです。オランダのドム教会の鐘楼を再現したランドマークの105mの塔も良い雰囲気を醸し出しており、(何度か行った事があるのですが)本当にオランダに来た様な気持ちになります。ウチの子供もどこぞの外国に来たのかと何度も勘違いしていました。
よくディズニーランドと並び称されるのですが、そのコンセプトは、かなり違うと思います。オランダの街並みを再現した園内は美しく、アトラクションや美術館、コンサート場など様々なスポットが点在しており、一日中アクティブに楽しむ事が出来るのですが、花やアートを愛でながら静かに園内を散策する楽しみ方もあります。ディズニーランドの様な熱狂やメルヘンもあるのですが、もっとリアルで落ち着いた大人の世界も並存しています。ここは、「テーマパークなんて」と思っている方にこそ訪れて欲しい場所です。さて、そうこうしているうちに、ワイン祭りの行われている「ワインの城」にやってきました。
「城」と聞いていたので、どんな城郭があるのかと期待していたのですが、なんのことはない、普通のワインショップです。でも品揃えは中々素晴らしく、日本のワインはもちろん、世界の銘醸ワインが店内狭しと並んでいます。ワインショップが大好きなwinebuffにとっては、数時間粘れる位の品揃えです。フムフム。
これが今回の主役であるワインサーバーです。最近良く見ますが、酸化によるワインの劣化を防ぐ機構を搭載したサーバーで、もっと簡素な個人向け商品も多数販売されていますね。目を凝らすと、お高いワインがガラスの向こうに並んでいます。
今回のワイン祭りは、いわば閉店までの飲み放題コース。ノンアルコールやジュースのコースもあるのですが、ワインテイスティングとしては、以下の3つのコースがありました。
¥5,000のプレミアムコース:希少ワイン2杯 + 高級ワイン10杯 + バイヤーセレクションワイン10種類飲み放題
¥3,000のゴールドコース: 高級ワイン10杯 + 90種類のワイン飲み放題
¥1,000のレギュラーコース:甘いワイン30種類飲み放題
winebuffは、迷わずプレミアムコースをセレクト。だって、希少ワインを2杯で、いやモノによっては1杯で元が取れる計算です。これしかないでしょう。お店のカウンターで各コースの料金を支払うとコース毎に違うタグを貰えます。これを腕に付けておいて、飲み放題のテイスティング時に見せるシステムです。数が限定されているワインについては、カードを1枚づつもらいます。
さあ、試合開始です(笑)!winebuffは、残念ながら諸般の事情によってテイスティングの時間が著しく制限されており、あまりゆっくりもしていられません。まずは、5種類ある希少ワインの中から2種類を選んでテイスティングです。この希少ワインについてだけは、ちゃんとしたグラスでサーブされます。
まず最初のワインは、これ「セーニャ」です。チリの名門ワイナリー「エラスリス」のエデュアルド・チャドウィックとロバート・モンダヴィの合作である、チリのスーパープレミアムワインです。カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローとカルメネールのブレンドワインです。チリワインらしい野性味もあり、ピノの様な獣香も感じられる個性的な味わいですね。本来ならばワインダイアリーに登録すべきなのですが、数も多く量も少ないので、ここで一気に紹介していきます。
お次は、ガヤのカ・マルカンダです。イタリアの著名なワイナリー「ガヤ」がトスカーナのボルゲリで作るスーパータスカン。近年、カベルネ・フラン主体のボルドーブレンドに変更して、更にエレガントで洗練されたワインに。因みにワイン名は、ピエモンテの方言で「望みのない交渉」という意味で、実際ここの畑を手に入れるのに相当苦労されたとの事。ワイン作りにかける情熱が伝わってくる逸話ですね。
ここからは、10種類の高級ワインになりますが、グラスがガラスのワイングラスからプラスチックの小さなカップにグレードダウン。って、この差は、さすがにひどくないですか?余談ですが、香りを嗅ごうと鼻を近づけすぎたので、なんと鼻でワインをすすってしまいました。それを他の人に見られて、流石に恥ずかしかったです・・・。
ワインメーカーであるヴェロニクの長女「ロレーヌ」の名を冠したこのワインは、フランスのドルーアン社がオレゴンで造るフラッグシップワインで、アメリカの晩餐会で供された実績を持ちます。32区画の畑から収穫されたぶどうを別々に醸造してブレンド。4ヶ月の樽熟成と20ヶ月の瓶熟成を経てリリースされる、こだわりのワインです。やや雑味がありましたが、飲みやすい新世界のピノでした。
こちらは、イタリアの大御所、マァジ社がアルゼンチンのメンドーサで作るプレミアムワイン「コルベック」で、醸造には、アマローネやレチョートで培ったアパッシメントの技術を駆使しています。木製の棚で長期間ぶどうを乾燥させて水分を抜き、糖分を凝縮させるアレです。濃厚な果実味が特徴ですが、なぜか草の香りが印象的で、どこか大らかな性格を感じました。
さてお次は、17世紀にイタリアのヴェネト州でワインづくりをはじめた名門ワイナリー、ゾーニン社の「アマローネ」です。先ほどのコルベックよりももっと濃厚で力強い味わい。流石に本家は違います。やや渋みを感じたのですが、そもそもアマローネは、「とても苦い」という意味らしく、(少なくともwinebuff的には)濃甘系の代表とも言えるこのワインにそんな名前が付いていたとは以外です。
イタリアのワイナリーから今度はフランスのワイナリーへ。この「パヴィヨン・ド・レオヴィル・ポワフェレ」は、ご存知サン・ジュリアン第2級、レオヴィル・ポワフェレのセカンドワインです。やや硬さも感じましたが、総じてまとまっている味わい。果実味も十分で雑味も少ない、優等生な味わいでした。
お次のフランスワイン、実は、この「クロ・デュ・ジョゲロン」は、オーメドック以外にマルゴーの名前を持つキュヴェがあります。マルゴーの畑は、たった0.2haで年間1,200本のワインは、2万円程するレアワイン。その数分の一の値段で味わえるオーメドックのキュベは、かなりのバリューワインと言えるでしょう。味わいは、なぜか右岸のような雰囲気で、バランスの取れたミディアムボディでした。注いでもらっている途中でワインが切れたため、新しいボトルをセット。中では、写真の様な管を通しています。
フランスから今度は、スペインへ。「ビーニャ・レアル グラン・レセルバ」は、スペインの有名ワイナリー、クネ社がリリースするプレミアムワインで、1920年に作られたブランドです。スペイン王室御用達の歴史あるワインで、国旗をモチーフとしたロゴに使用を許されている、スペインを代表するワインの一つといっても過言ではありません。このワインも力強いフルボディの味わいで、長期熟成が可能です。
希少ワインと高級ワインは、店内で頂くスタイルですが、バイヤーセレクションワインについては、店外の屋台で飲むようになっています。特設の屋台には、写真のようにこれでもかと言わんばかりのワインの数々。胸が高鳴ります。が、winebuffに残された時間は、あとわずか。この後、ディナーの予定もあるので、今日は、あと少し飲んで退散する事にします。
チリのオーパスワンの異名をとる「インドミタ・サルドス ウルトラプレミアム」は、カベルネ主体の重厚なボディ。これまで飲んだ中で一番美味しく感じました。濃甘系で酸味、渋み控えめ。要は、万人受けする味作り。高級ボルドーに匹敵すると書いてありましたが、流石にそれは言い過ぎとかと。あまりエレガントではなく、どちらかというと素朴な味わいでした。それでもコスパの良いワインだと思います。
本日最後のワインは、イタリアの「パパーレ リネア・オーロ 」です。プリミティーヴォ100%のフルボディタイプ。今日は、濃厚な赤ワインを多く試飲していたため、それほどとは感じませんでしたが、リネア・オーロ(ゴールド・ライン)というだけあって、プレミアムな味わいでした。って、もうコメントがかなりいい加減になっていますが、短時間で色々なワインを飲んでいると、最後の方が記憶が定かでなくなってしまい・・・。おっと、そろそろディナーのお時間のようです。お迎えが来たので、ワイン祭り1日目は、この辺でお開きに。明日は、コースを変えて再度トライする予定です。ではでは。
[winebuff]
ヴィラデストを後にして向かったのは、近隣にある、2015年開業の「アルカンヴィーニュ」。このワイナリー名には、「ブドウで繋ぐアーチ」という意味があり、自社ブランドのワインを作る傍ら、新規就農者らのワインの委託醸造も行っているそうです。また、栽培・醸造・ワイナリー経営を学ぶ「千曲川ワインアカデミー」を開催。正式名称が日本ワイン農業研究所「アルカンヴィーニュ」というだけあって、ワインに関する様々な取り組みを行っています。
アルカンヴィーニュ
〒389-0505 長野県東御市和6667
アルカンヴィーニュの建物は木造で、一階に醸造場や熟成庫などの工場設備があり、二階にテイスティングルームやショップ、ラウンジ、ワーキングルームなどが設けられています。写真の正面入り口は、二階にあたります。
アルカンヴィーニュのオリジナルワインは、ソーヴィニヨン・ブランやシャルドネ、メルロー等の欧州系品種の他、ブラッククイーンや巨峰、善光寺ブドウの名で知られる「竜眼」等、日本の品種も栽培されています。変わり種としては、長野県産のゆずを使用したシードルも。winebuffは、ここではソーヴィニヨン・ブランを一本購入しました。
ワインダイアリーのテイスティングメモ
ラウンジには、フランスのシードル農家から譲り受けた、古い破砕機とプレス機を改装した二台のバーテーブルが置かれています。また、床のフローリングは、住友林業が上海の工場で加工したウィスキー樽のバレルオークが使用されています。細部にこだわりを感じますし、センスも良いですね。
このワーキングルーム?の横に一階に繋がる階段があり、そこを降りていくと・・・
ワイン樽とステンレスタンクが鎮座ましましています。まだ出来て間もない施設なので、設備もピカピカで、ゴミ一つ落ちていません。
自社ワインの製造・販売はもちろん重要ですが、アルカンヴィーニュが主催する「千曲川ワインアカデミー」の活動もとても重要との事。アカデミーでワイン作りやワイナリー経営を学び、実際にワインを世に出した小規模生産者の方々も多くいらっしゃるようです。日本のワイン作りを単なるブームで終わらせない為にも、こういったワイン生産者を下支えする取り組みは、大切ですよね。
リュードヴァン
〒389-0506 長野県東御市祢津405
お次のワイナリーは、車で十数分走ったところにある「リュードヴァン」です。小山英明氏によって2010年に設立された、「ワイン通り」という意味の名を持つワイナリーです。元々、大手電機メーカーに勤めておられた氏が脱サラし、山梨や安曇野のワイナリーで修行。その後、紆余曲折を経ながらリンゴ農園であった3.7haの荒廃農地を開墾し、念願のワイン作りを開始したのが2006年。2008年には、委託醸造でワインを初リリースして現在に至ります。
写真に映る青いルノーは、小山さんの愛車だったもの。ワイナリーのコーポレートカラーである青色は、この車に由来するものとか。
ワイナリーの建物は、さほど大きくはありませんが、ショップだけでなくカフェレストランも併設しており、地元産の旬の食材を中心に、ワインと料理の美味しいマリアージュを楽しめます。冬場は、かなり冷え込むのでしょうか、屋根から伸びる大きなストーブの煙突がアイコンになっています。
訪問したのが、ちょうどお盆の時期だったのですが、ワイナリーではお盆特別営業として、「お盆スペシャルワンプレート」なるメニューを提供していました。同様に、醸造所とセラーの見学ツアーも催行していたようです。
小ぢんまりとした店内で、ぶどうジュースを頂きました。日差しも強い真夏日だったので、冷たいジュースでちょっと一休みです。お店の人に、ワインのラインナップや、葡萄畑の事を色々とお聞きしました。
その横の棚にリュードヴァンのワインがずらりと陳列されています。赤の主力品種がカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロー。そのブレンドの「ドゥー・ローブ・ヴィオレット」がフラッグシップワインとの事ですが、残念ながら売り切れで手に入りませんでした。代わりに、ピノ・ノワールをベースに少量のシャルドネをブレンドしたロゼの「クレール」を一本購入。
そうそう、このワイナリーには、ワイナリードッグならぬワイナリーキャット、看板猫のココちゃんもいました。残念ながら、あまりの暑さで接客も滞りがち。猫じゃらしでコミュニケーションを図るも、一度しか反応してもらえませんでした・・・。
5.3haの畑は、様々な標高の土地に分散しており、写真のワイナリーに隣接する畑では、カベルネ・ソーヴィニヨンが栽培されていました。
はすみふぁーむ&ワイナリー
〒389-0506 長野県東御市祢津413
さて、最後に向かったのは、リュードヴァンのすぐ近く、というか隣接している「はすみふぁーむ&ワイナリー」です。10代で単身渡米した蓮見喜昭氏が、2005年に東御市に移住し「はすみふぁーむ」を設立。2009年に委託醸造によってワインを初リリースし、2010年に自身のワイナリーも立ち上げ2011年より醸造開始。お隣のリュードヴァンとほぼ同時期に同じ土地でワイン作りを始めたというご縁のある両者ですが、ワイン作りに至るまでの道は、それぞれ異なるものだったようです。
リュードヴァンもシンプルな佇まいでしたが、こちらはさらにコンパクトな建物。掘っ建て小屋のような(失礼!)ショップ内には、主にはすみふぁーむの自社ワインが陳列されていました。しかし、聞くところによると、アクセスの良い上田市にはすみふぁーむの直営アンテナショップ&カフェがあり、そこでは、はすみふぁーむのワインやジュース、ジャム、オリジナルのグッズなどの販売に加え、テイスティングサービスも提供しているとの事。ちょっと安心しました。
winebuffは、迷った末、写真の「千曲川ワインバレー」シリーズのシャルドネを一本購入。
ワインダイアリーのテイスティングメモ
実は、winebuffは、蓮見さんの書かれた「ゼロからはじめるワイナリー起業」(虹有社)を拝読しており、一度訪ねてみたいとかねてより思っていました。その願いが叶って今回訪問したのですが、あまり時間が無く十分お話を聞く事が出来ませんでした。また、何か機会があれば、ワイナリー設立の苦労話等をゆっくりお聞きしたいです。
ワイナリーの隣の畑では、ピノ・ノワールが育っていました。葉っぱがブツブツになっているのは、葉の裏からダニに侵されてしまったからだそうです。
はすみふぁーむの畑は、十箇所に分散しており、それを意図したわけでは無いが、天候や病害等のリスク分散にも役に立っているとのこと。その他、興味深かったのは、葡萄の被害でハクビシンによる食害が発生しているというお話。グルメなハクビシンは熟した葡萄しか食べないそうで、その食害を防ぐには、電気柵が有効とのこと。
栽培醸造担当の森田さんに色々とお話をお伺いしました。ありがとうございました。
今回は、山梨や北海道と並ぶ日本ワインの名産地、長野だけあって中々レベルが高いなと感じました。ただワインを作るだけでなく、持続可能な6次産業を推進するため、観光やビジネスサポート、技術改良等々、様々な取り組みを積極的に行っている先進地域でした。その努力は、もちろんワインの品質にも反映されていますし、今後の発展にも期待が持てます。次は、同じ長野でも千曲川以外の桔梗ヶ原や日本アルプスなどに足を運んでみたいと思いました。
[winebuff]