和歌山のワイナリー その2


これはいかんと、流石にwinebuffも危機感を感じ、アドベンチャーワールドからホテルに戻る際、単独行動でワイン探索を実施。いつもならばワイナリーを訪問しその土地のワインを入手して、晩酌がてら飲むという流れなのですが、今回の和歌山旅行では、未だ何も実現出来ていません。元々、winebuffの失態で大幅に予定が狂った為で、誰にも文句は言えないのですが・・・。

車を飛ばしてやってきたのは、「ダイナミックOne」という地場の酒屋です。付近では、有数の品揃えで地元の酒も豊富との事。ここならばひょっとしたら和歌山のワインも置いているかと一縷の望みを持って入店。

店に入ると、既にアルコールの匂いがぷんぷんします。写真では見づらいのですが、奥に巨大な瓶がいくつも鎮座しており、どうやらそこから匂いが漂ってきている様子。瓶には、この地方のお酒(よく見ませんでしたが日本酒or焼酎)が入っており、量り売りされているようでした。うーむ、ここなら期待できそうです。

入り口右手の方がワイン売り場で、フランスやイタリア、その他各国のワインがずらりと並んでいます。品揃えは中々のもので、安価なデイリーワインから高価なプレミアムワインまで各種取り揃えてあります。日本のワインもいろいろあるようですね。んっ、棚の上段に並んでいる見慣れないワインは、ひょっとして和歌山のワインでしょうか?

棚の最上段には、ポップがあって、和歌山のぶどうのみを使用した和歌山ワインですと誇らしげに書かれていました。が、winebuffが知っている、行こうとしていたワイナリーのワインではありません。このワインは知りませんでした。「動鳴気」という名前も相当インパクトがありますが、通常よりコストが4〜5倍!と謳っているワインなんて初めてです。

ワインのテイスティングに関しては、ダイアリーを参照して頂くとして、ブログではもう少し詳細な情報を記載しておきますね。この動鳴気は地名で、原料のぶどうを供給している紀南観光ブドウ園が和歌山県田辺市の動鳴気公園の近くにあることから命名されたようです。同園の甲斐ノワール100%ワインで、醸造は、山梨の東夢ワイナリーが担当しています。最近出来たワインかと思いきや、陳列してあったのは、2009や2010のビンテージ。結構以前から作っていらっしゃったようです。しかし一番新しいビンテージでも2010年とは、このワインは、長期熟成型なのでしょうか。割と謎なワインですが、とにかく貴重な和歌山ワインをゲットし、とれとれ市場のお寿司と一緒にマリアージュ。なんとかワインブログの面目を保ちました。

ワインダイアリーのテイスティングメモ

翌日、ホテルから関西空港に向かう途中で、待望のワイナリーに訪問。ここは、和歌山県有田郡湯浅町にある「湯浅ワイナリー」。湯浅町は、750年前に日本で初めて醤油が作られたという醤油発祥の地で、現在、和歌山随一の本格ワイナリーがあります。、写真は、湯浅ワイナリーの工場で、湯浅町の「一気通貫」産直加工流通加速化センターとして令和元年に建設。広い敷地に最新のワイン製造機器を備えたクリーンかつハイテクな工場との事、これは期待できそうです。

とはいえ、付近に人影はなく、しーんと静まり返っています。シーズンオフという事もあり、少々不安になってきました。もし、ワイナリーが休業ならば、この和歌山ワイナリー訪問記はどうなるのか?ブログの題名変えるか、などと思案しながら恐る恐る近づきます。

ああ、よかった。OPENの文字が見えました。本日は、開いているようですね。試飲もできるとありますので、多分販売もやっているでしょう。それでは、早速中に入ってみましょうか。

工場のエントランス付近には、湯浅町のミニチュア模型が展示されています。先ほど記したように、ここ湯浅町は醤油発祥の地で、付近には伝統的建造物群保存地区があります。時間が無かったのと、予約無しの一見さんは基本的に不可らしく訪問出来ませんでしたが、鎌倉時代に 禅僧覚心(後の法燈国師)が宋より径山寺味噌の製法を伝え、湯浅の良質な水で醤油が作られようになったという逸話が残っています。

エントランスから二階に上がると団体さん向けの試飲ルームがあり、その窓から一階の醸造設備が拝見できます。まだピカピカ光る最新設備の工場で、ちょうどワインの入れ替え作業が行われていました。奥に見えるステンレスタンクは、4万リットルの分の容量があるそうです。

側には、二種類のポップが飾られていました。ワイン以外にもリキュールも生産されているご様子。そうでしょう、和歌山と言えばぶどうというより梅とみかんですから、リキュールには最適です。とても興味が湧いてきました。色々とワイナリーの方にお聞きしてみましょう。

工場の一階にある試飲室。こちらで色々とお話を伺います。入り口には、大きなのれんが掛かっており、ど真ん中に大きく湯浅の文字が。一言でワイナリーと言ってもその設立意図は、多種多様で、個人の自己実現であったり、障害者支援の一環であったり、地方創生の担い手であったり色々なのですが、ここ湯浅ワイナリーは、土地に根ざした地場のワイナリーという感じです。

試飲室左手に製品のラインナップが。ずらりと並んだボトルを見ると、ワインよりもリキュールの方が種類が多いような・・・。お話によるとやはり、売り上げ的には、リキュールの方が多く、リキュール7割、ワイン3割程度だそうです。「勹果(ほうか)」というブランドのこれらリキュールは、和歌山の豊富な果実をもとに作られており、有田みかんや紀ノ川沿いのもも、紀州南高梅にゆず、じゃばらと多品種に渡っています。特に邪(じゃ)を祓う(はらう)ことから名付けられた「じゃばら」は、日本で唯一の飛び地として知られる人口500人程の秘境、北山村の産地で、ユズやダイダイ、カボスの仲間の柑橘類だそうで、とても珍しいものです。

この製品の陳列棚の奥に試飲用のカウンターがあります。残念ながら(いつも通り)、ドライバー担当のwinebuffは、試飲が出来ません。試飲を勧められ「いや、結構です。」と心苦しくも断ろうとした時、winebuff妻のpinomayuが、「私が飲む」と珍しく立候補。

テイスティングは、白のシャルドネと、ゆずとじゃばらのリキュール、合わせて3種類を試飲。因みに、ワインラベルに書かれている200は、100%のぶどうと100%のワインメイキングで優れた200%のワインを作りたいとの意図があるそうです。いわゆるお土産ワインではなく、拘りのある通向けのワインを目指しているとか。ぶどうは、山梨県北杜市から仕入れており、白赤同等位。将来的には湯浅のぶどうでワインを作りたいとの野望?も話して頂きました。

試飲室の一角には、何故か子供向けのコーナーが。早速、winebuff娘は、すみっこぐらしの塗り絵や鬼滅の刃の折り紙で熱心に遊んでいました。

お話は、ワイナリー事業部の部長さんで株式会社TOAの執行役員でもあらせられる井上さんにお伺いしました。営業部長さん?と思うほど話術が巧みで面白く、ついついお土産を買い過ぎてしまいました。井上さん、ありがとうございました。

winebuffは、木樽熟成のTOA 200 KAZEを1本購入。テイスティングは、ダイアリーをご参照あれ。

ワインダイアリーのテイスティングメモ

pinomayuは、リキュールを大量に買い込んでいました。帰宅後、晩酌の際に私も少々お味見をさせて頂きました。写真は、「じゃばら」で、優しい味わいのゆずという感じ。アルコールも7度と軽めなのですいすい飲めます。元々は、鬼も逃げ出すほど酸っぱい事から邪を払うとされていたそうですが、これはかなり甘めの味わいで飲みやすかったです。

さて総括です。winebuffのチョンボはさておき、今回もワイン発展途上県?の地にお邪魔して色々なものを見て学びました(遊んでいたの間違いでは?)。日本ワインの今後を占う意味でも新興地のワイナリーを訪れるのは、とても意義深いものなのですが、それ以外でも新しい事に挑戦する熱意を直に感じる事が出来るので、winebuff的にもいつも楽しみにしています。湯浅ワイナリーの運営会社である株式会社TOAさんは、2014年に「和歌山ワイナリー 」も設立し(というかこちらが先?)、ぶどう栽培からチャレンジもされており、今後の展開にも大いに期待が出来ます。和歌山は、東京からのアクセスも良く温暖な気候で海山の食べ物も美味しいところであり、また後日訪れてみたいと思いました。


ブログTOPへ