ワインリゾート in 八ヶ岳 その1


お久しぶりです、winebuffです。

世の中、色々と大変な時期ですが、みなさん如何お過ごしですか?winebuff達は幸いみな無事で、新しい生活様式に馴染むべく日々頑張っています。この春は、自粛モードでStay home生活を続けていたのですが、緊急事態宣言が解除された後、初夏に(おそるおそる)八ヶ岳に行って参りました。

新宿から特急あずさ号に乗って二時間弱。着いた所は山梨県の小渕沢駅。ここに日本ではまだ珍しいワインリゾートなるものがあるとの事。海外では、あちこちに同種のリゾートがあるのですが、ここ日本ではまだまだメジャーな存在ではなく、殆ど聞いた事がありませんでした。

今回は、レンタカーを調達せず、全て電車とバスで移動しました。普段のワイナリー巡りは、ぶどう畑が人里離れた山中にある事も多く、自由に動かせる車が無いとかなり不便なのですが、ここは、滞在型のワイナリーリゾートで、送迎を含めたサービスも充実しており、電車&バスというお手軽かつリーズナブルなオプションをチョイス。

送迎バスにホテル名が書いてあるのでもう分かりましたね(笑)。そうです、winebuff一行が訪れたのは「リゾナーレ八ヶ岳」です。ご存知の通り、経営破綻したマイカルが所有していた会員制ホテル「リゾナーレ小淵沢」を星野リゾートが買取り、一般客向けに改装したリゾートホテルです。バブル期に某有名イタリア人デザイナーがデザインしただけあって、やや老朽化が目立つものの他にない個性的な佇まいです。遠くに見えるのが、そのデザイナーの名を冠した15mの「ベリーニタワー」です。

さて、winebuffは、15時のチェックインを待たずして、ワインリゾートの真髄に触れるべく?、早速「アクティビティセンター」にやって参りました。ここでは、八ヶ岳の豊かな自然を満喫する様々なアクティビティが用意されているのですが、迷わず「葡萄畑アペロ」を選択。アペロとは、フランス語の「アペリティフ(食前酒)」の口語的表現で、食事の前にお酒を楽しむことを意味するそうです。夕食前にぶどう畑で食前酒のワインを頂くという何とも優雅なツアー、参加しない手はありません。子供NGのアクティビティなのでwinebuff単身で乗り込んで行きます!

ホテル近隣にある「小牧ヴィンヤード」にて開催されるとの事で、玄関で送迎バスを待っていると、何やら係員の方が緊張した面持ちで右往左往。よく分かりませんが手違いがあったようで、同ツアーに参加される他の方々がタクシーで移動していった後に、winebuffが何故かポツンと一人取り残されました。やや不安に感じていたところ、小型のジープがやってきて「winebuff様ですね」とピックアップ。

話をすると、この方、何と小牧ヴィンヤードのオーナー、小牧康伸さんでした。開催直前に急遽他の方の申し込みがあって、手配に手間取ったとのこと。車内では、オーナーから色々と貴重なお話をお伺いしました。車で5分程度移動すると直ぐに畑に到着。先着されていた方々と合流して早速ツアーの開始です。

表が住居兼カフェの建物の様で、裏手に畑が広がっています。八ヶ岳の南麓、甲斐駒ヶ岳を間近に望む標高820mの高地に約1haの畑があります。2005年から少しづつ植樹をし、ご夫婦二人で年間3,300本のワインを収穫出来るまでに育ててこられました。自然農法に拘り、補糖、補酸は一切無しで、農薬はボルドー液のみ。主力は、赤で品種は、メルロー、バルベーラ(珍しい!)、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、そしてソーヴィニヨン・ブラン。

建物の裏手には、畑の他にこのような大型テントもありました。これは、「ヴィンヤード グランピング」だそうで、いわゆるアグリツーリズモの一種。1日1組限定で、葡萄畑や自然に親しみながらゆっくりと休暇を過ごす宿泊付のアクティビティだそうです。昼は、栽培体験やワインセミナー、ヴィンヤード・ヨガ等を楽しみ、夜は星空を眺めながら焚き火を囲みワインを楽しむ。日本でもこういったサービスが体験出来る様になったんだなとwinebuffも感慨一入です。

畑に入る前に、この様なシューズカバーを頂きました。靴が汚れないようにとの配慮ですが、そういえば、winebuff、今まで国内外の多くのワイナリーを巡ってきましたが、シューズカバーまで用意して頂いたのは、今回が初めてです。ちょっと感激。

オーナー自ら、小牧ヴィンヤードの説明をして頂きました。写真を見て少し違和感を感じる人もいるかもしれません。家族経営のワイナリーでは、オーナーと言えども作業着等のラフな格好が定番です。畑で働くのですからスーツ姿の人は、ほどんどいません。しかし、この格好と言えば・・・。

そう、ソムリエですよね。実は、オーナーの小牧さんは、元は30年の経験を持つシニアソムリエで、かの有名な帝国ホテルにもお勤めだったとの事。2003年に地元山梨にUターンして、念願のワイン作りを始められたそうです。ツアー中のホスピタリティも素晴らしく、さすがソムリエと感心しました。

7月なので、葡萄はまだまだ青く硬い粒の状態です。葉っぱが白くなっているのは、ボルドー液を散布した影響です。この旅行は雨が多くて鬱陶しい天気だったのですが、このツアー中に突然晴れ渡り、とても強い日差しに見舞われました。オーナー曰く、この地は、雨が比較的少なく、寒暖差もあってぶどう育成には好都合の土地だとの事。

ワイン用葡萄の他にも、生食用ぶどうやこの写真のようなキウイも栽培しているとのことでした。やはりワインだけでは、採算的に厳しいらしく、高級果物は、小規模農家には欠かせない収入源になっているようです。余談ですが、生食用のぶどうは一粒を大きくするために、かなり一房当たりの粒を制限する(落とす)みたいで、まだ青い未成熟の葡萄を見せて頂くと、殆どスカスカの状態でした。

さあ、畑を一回りし、一通り説明が終わると、お待ちかねのワインの試飲タイムです。庭に設置したテントで(ソーシャルディスタンスを守って)ワインを頂きます。ソーヴィニヨン・ブランの白ワインは屋外で、ボルドーブレンドの赤ワインは、屋内で頂きます。

流石、シニアソムリエ、サーブも完璧。ワインの説明をしながら手際よく注いでいきます。この「Prologue ソーヴィニヨン・ブラン」は、品種由来の性格が良く出ており、自然派ワインという事もあって、優しくふっくらとした味わいでした。決してコクが豊かとかキレがあってゴクゴク飲めるというワインではありませんが、落ち着いて長く飲める良いワインでした。

さて、白ワインを楽しんだ後は、屋内に移動し、小牧ヴィンヤードのコミュニケーションスポットでもある「ワインカフェ・メルル」で赤ワインを頂きます。

ここでもソーシャルディスタンスを守ってテーブルが配置されており、winebuffは一番の上席、窓際の畑が一望出来るテラス席に案内して頂きました。

この赤ワインもPrologueと名付けられたメルロー&カベルネ・フランのブレンドです。説明が遅れましたが、ここはあくまで「ヴィンヤード」であり「ワイナリー」ではありません。要は醸造設備を自分で持たず、他社に委託醸造しているという意味です。白はルミエール、赤はくらむぼんワイナリーに委託しているとお聞きしました。屋内では美味しいチーズと一緒にテイスティング。赤ワインも全体的に優しく落ち着いたミディアムボディで、醸造会社というより作り手の性格がワイン作りに反映されている事が良く分かります。

小牧さん、どうもありがとうございました。とても楽しいひと時を過ごす事ができました。もう皆は、チェックインを済ませている頃でしょう。winebuffは、初リリースのバルベーラの赤を一本購入した後、再度オーナーのジープでホテルへと帰還いたしました。

さて、夕食時になりました。食前酒をきこしめして良い気分になったwinebuffを先頭に一行は、ピーマン通りにあるイタリアンレストラン「VINOTECA」にやって来ました。今晩は、ここで日本ワインを頂きながらカジュアルなイタリア料理を頂こうと目論んでいたのですが、久々に出たwinebuff娘の「もう眠い」アタックであえなくテイクアウトにチェンジ。

しかし、転んでもただは起きない?winebuff、ようしそれならと「YATSUGATAKE Wine house」へ足を運びました。ここに、ボトルに詰めたワインとワインと合うスナックを入れて部屋へ持ち帰れる「VINO BOX」というサービスがあるのを事前にチェックしていたのです。宿泊者限定のドメーヌ ミエ・イケノのピノ・ノワールと燻製したナッツ&ぶどうチョコを購入し、早速「VINO BOX」にして下さいとリクエスト。

ワインダイアリーのテイスティングメモ

あれ、写真で見たのとちょっと違うなと思ったら、これは新サービス「VINO BAG」でした。店員さんにお聞きすると、VINO BOXは木製なのでちょっと重いとの事。それで革製のBAGを導入されたと、由来を説明頂きました。

テイクアウトにすると容器も使い捨てになり、あまり写真映えが良くありませんが、お料理は総じて美味しかったです。特に野菜は、土地のものでしょうか、東京で食べるのとはレベルが違う、素材の良さが生かされた新鮮かつ味わい深いものでした。

流石ワインリゾート、ワイングラスとオープナー完備です。しかし、部屋の内装もボルドーカラーという説明だったのですが、winebuff達の部屋はいたって普通の内装でした・・・。その2に続く。

[winebuff]


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