島之内フジマル醸造所


最近、このご時世でワインも値上がりし困っているwinebuffです。さて、2022年3度目のワイン旅行なのですが今年は全て関西地方。特に意識をしていたわけではなかったのですが、たまたまそうなってしまいました。和歌山、神戸と続いて今回は大阪です。大阪は以前、羽曳野や柏原のワイナリーを訪問した事があったのですが、この旅では変わり種のワイナリーに訪れました。

今年3度目の羽田-伊丹便。もう手慣れたもので特にトラブルも無く、スムーズに移動できました。午後便だったので早朝に有りがちな不便も無く、時間の余裕も十分。とはいえ、先週末、台風で3連休が台無しになったのに続き、今週も結構危なかった!運良く東に外れてくれましたが、もし本州を直撃していたらこの旅行も延期になっていたかもしれません。

今回宿泊するお宿は、「天然温泉 花風の湯 御宿 野乃 なんば」。ドーミーインブランドの和風プレミアムホテルで、なんばの日本橋駅徒歩1分と利便性抜群。ホテルの快適性はそのままに、都心で旅館気分と温泉が愉しめます。写真のように入り口から日本旅館の雰囲気全開です。インバウンド向けのなんちゃって日本風の匂いが漂っているところが少々不安ですが、早速チェックインしましょう。

ホテルは普通、部屋の中も土足ですが、ここは旅館同様、入り口で靴を脱いで素足で移動です。廊下もこの様に畳敷きで基本、スリッパもありません。(フロントで頼めばもらえますが。)郊外の温泉宿なら珍しくないのですが、繁華街のシティホテルでこの様式はあまり無いなと驚きました。

部屋の中ももちろん畳敷きです。和洋折衷ですがシングルベッドが2台しかなく、3人目、4人目は備え付けの和布団を敷きます。ちなみに障子の向こうは普通のガラス窓で隣のビルが見えます。雰囲気が台無しになるので開けてはいけません。あと、写真はありませんが、温泉もあり露天風呂風の外湯(もどき)やサウナも完備。風呂上がりにアイスや乳酸菌飲料のサービスもあり嬉しい限りです。winebuffは21時30分から供される無料のラーメンもしっかりいただきました。

さて、余裕をもってチェックインをしたので、まだディナーにはかなり時間があります。せっかくですので大阪観光をしようということで、近隣の大阪城にやってきました。大阪といえばやはり大阪城。ここを外すわけにはいきません。しかし、天守閣に登るためには16時30分までにチケットを購入する必要があり、城内を走っていたカートのようなタクシーに乗ってショートカット。

城門まで送って頂き、時間前に無事到着。winebuff一行は蚊の大群(大袈裟な)に襲われ難儀していましたが・・・。この門から入って暫く歩くと本丸に聳え立つ天守閣が眼前に現れます。

この天守閣は、豊臣、徳川時代に続く3代目のもので、昭和6年に市民の寄付金によって再建されました。高さ55mの鉄筋コンクリート製で、内部にはエレベータもあり、位置や形状からも以前の天守閣とは別物。良く観光客向けのハリボテと揶揄されたりもしますが、近くで見ると堂々としていて存在感がある立派な大阪のシンボルです。

エレベータで最上階の8階に上がると廻縁があり、外から大阪の360度の風景が楽しめます。金のシャチホコも見えますが、その向こうにある洋館が旧第四師団司令部庁舎で、現在のミライザ大阪城。winebuff一行は、この後ミライザでアイスを食べました。

さてさて、大阪城観光で時間を使ったのち、頃合いも良く19時に本日のメインイベント、「島之内フジマル醸造」」にやってきました。こんな夜に醸造所の見学?と思われた方、説明が足りませんでしたね。ここは、1階が醸造所で2階がレストランになっているのです。レストラン併設の醸造所というより、むしろレストランに醸造所が併設されているといった方が良いかもしれません。では、早速入ってみましょう。

ドアを潜るとすぐにこの様な階段が。バリアフリーでないのが残念ですが雰囲気がありますね。フジマル醸造所は、松屋駅から歩いて数分、南北に流れる運河に面した石材やセメントを扱う会社のビルに入っています。以前のブログで「清澄白河フジマル醸造所」を紹介したことがありましたが、今回の「島之内フジマル醸造所」とは、経営母体が同じです。清澄白河の方は、2015年オープンですが、島之内の方は2013年でこちらの方が歴史があります。

店内の作りは清澄白河のお店と似て木の温かみがある落ち着いた雰囲気です。カウンターが6席でテーブルが6卓、合わせて26席のどちらかといえば小規模のレストランです。

winebuff一行が入店した際はまだ空席があったのですが、あっという間に満席に。その後、何組かのお客さんがいらっしゃいましたが予約無しでは席が確保できず無念の撤退。木曜の夜でしたが三連休の前日だったので会社帰りの団体さんもちらほら。カップルや女性客も年齢高めでファミリー向けよりもワイン好きの大人の隠れ家という感じでしょうか。

料理は、ワインに合う創作イタリアンで、旬の食材を重視しているためメニューはかなり頻繁に更新されるそうです。一皿目は、「彩り野菜のテリーヌ、人参とベリーのソース」です。色彩も豊かなフジマル醸造所の名物料理、旬の野菜の美味しさが詰まっています!(メニューの受け売りです。以下、同文。)

お次は、「シュクレクールさんのプティバゲット」です。北新地にある有名店のパン屋さんのバゲットで噛めば噛むほど旨みを感じます。

パスタは、「フジマル特製!シンプルな濃厚トマトソース ブカティーニ」です。トマトソースにチーズを乗せただけのシンプルな一品です。小さな子供を連れていると辛かったり苦かったりする味付けは不可なので、こういったスタンダードなものをチョイスすることが多いです。とは言え、このうどんみたいなスパゲッティは何か懐かしい感じで美味しかったです。

今回食べたメニューでwinebuff一押しなのが温菜のこれ「豚足とジロール茸 インカのめざめ ガルビュールのグラタン仕立て デュカ風味」です(長い…)。メニューの文言には、「トロトロぷるんぷるんの豚足に、あんずのように甘い香りのジロール茸に栗のようにホクホク甘い、インカのめざめをスープグラタン仕立てに。熱々をハフハフする幸せ♡秋だな〜。」とありました。因みにご存知と思いますが「インカのめざめ」とは糖度の高い小ぶりのジャガイモです。味付けも良く、前述のバゲットをスープに浸して食べるとまさに絶品。

メインはやはり肉。「なにわ黒牛のグリル 大阪狭山産ダンデリオンのサラダ添え」です。大阪の銘柄牛「なにわ黒牛」の美味しさをダイレクトに感じる、フジマル醸造所の自慢の一品、だそうです。我々は100gで十分だったのですが、お店のスタッフの方がしきりに「これでは足りませんよ」と増量をプッシュ。それ以外でも、「もう一皿いかがですか?」と何度もリコメンド。さすが大阪商人、東京とはちょっと違いますな。

肝心要のワインはこちら。素晴らしい料理とマリアージュすべくチョイスしたのが「キュベパピーユ大阪RED2020」です。大阪自社農園のメルローとマスカットベーリーAのブレンドワイン。ベーリーA特有の甘い香りがありますが、味わいは酸味が強いミディアムライトボディ。昨今のベーリーAは、酸味を抑え果実味を重視した作りになっている事が多いのですが、これはクラシカルな味作り。正直、料理に合わせるにはもう少し力強いボディが良いのですが、日本の葡萄だとこのあたりが限界でしょうか?

ワインダイアリーのテイスティングメモ

お店を下調べしていた際とある記事に、二階のレストランの窓から運河が眺められるとあったのですが、夜間では流石に厳しいだろうと思い眺望は特に期待していませんでした。それでも少し覗いてみようかと席付近の窓を見たのですが、おやおやここから一階の醸造設備が俯瞰できるではありませんか。聞けば一階の醸造所も見学可能とのこと。

上から見ると何かを発酵させているように見えます。訪問時が9月ということだったので今年度の仕込み作業の最中でしょうか?後で詳細を伺ってみましょう。

スタッフの方に一階正面の扉の鍵を開けて頂き中に入ると、ところ狭しと樽やらバケツやらが置かれて足の踏み場もありません(と言うのは言い過ぎですが、設備が押し込められてとてもせまく感じたのは事実です)。見えにくいのですが、オレンジバケツの中にはジョージア製の、ワイン醸造、熟成等に使用する素焼きの粘土製容器「クヴェヴリ」が。これはオレンジワイン用とのことでした。

葡萄の発酵に使う巨大なバケツ。少なくとも10個はありました。大部分は空になっていたのですが、もう既に使い終えたということなのでしょうか?

その陰に隠れるようにして鎮座していたのが金属製の圧搾機。普通はイタリアなどから輸入するらしいのですが、これは大阪の町工場に図面を持ち込んで作って頂いた機器とのこと。輸入品は高価だからと言っておられましたが、これはこれで結構お値段が掛かったらしいです。でも故障時のメンテナンス費用など考えるとこの方がリーズナブルとの説明も。

先ほども見た発酵中のぶどう達。天然の酵母を加えて発酵させており、ぶくぶくと泡が出ていました。

奥に1個だけ日本製の杉樽も。日本製の樽を使うのは初めてだそうで、最初だけ使用してその後タンクに移すそうです。ジョージアのクヴェヴリもそうですが、圧搾機を自作したり和樽を使用したりと新進のワイナリーだけあって様々な手法を積極的に取り入れている姿勢に感服しました。

決して広いとはいえないスペースでぶどうの発酵からボトリング、ラベリング作業まで全てを行なっています。一通り説明を受けた後、歩いてホテルまで帰りました。ホテルの部屋ではお店で飲み残して持ち帰ったワインを寝酒に頂き、本日の予定は終了。そうそう、寝る前にはもちろん温泉にも入りました。

翌日は、もう少し大阪観光をという事でやってきました、万博記念公園。大阪のシンボルといえば大阪城や通天閣が真っ先に思い浮かびますが、万博記念公園の太陽の塔もそれと並び称されるくらい有名です。みなさんご存知、あの岡本太郎が1970年に開催された日本万国博覧会のために制作した芸術作品であり、万博終了後も引き続き万博記念公園に残されたもので、2020年には国の登録有形文化財に登録されています。

あまり写真では見ないのですが、背中はこうなっています。大阪城同様、鉄筋コンクリート製で全長71mと大阪城よりも高い建造物です。ただ、近くから見ると築50年以上経過しているということもあって老朽化が目立ちます。もともとは屋根が付いていたのですが、だいぶ前にそれも撤去されていますし、この塔もいつまで見られるか・・・。

万博終了後は、太陽の塔内部の観覧は中止されていたのですが、2018年に48年ぶりに内部を公開。新型コロナウィルス感染症予防のため暫く観覧が中断されていましたが、半年後に再開。winebuff一行もwebで事前予約をして塔の地下空間を探検してきました。

内部には、太陽の塔の4つめの顔「地底の太陽」のレプリカが飾られ妖しく光っていました。ちなみにこの地底の太陽は「人間の精神世界」を表現しているそうで、最新のプロジェクションマッピングも活用してリニューアルされていました。そして写真の「生命の樹」。原生時代から人類に至るまでの、約40億年に渡る生命の進化の過程を表現した芸術作品で高さは約41m。樹の枝には200体近くもの生き物が展示されています。生命の樹を取り囲むようにして配置されている螺旋階段を下から登って観覧するのですが、何分老朽化が激しい設備なので展示されている生き物も塗装が剥げたり、頭がもげて中の機械が露出しているものもありました。また、腕の部分の屋根へと続くエスカレータなども現在は稼働していません。館内のスタッフの方も施設保全にかなり注意を払っているようで、各観覧スペースの人数も厳しく制限されていました。それでも太陽の塔の真髄を垣間見る事ができてとても良い経験ができました。

さて、本日のワインですが、どうしましょうか。
公園はファミリーが昼間に行くような場所でワインなどとは程遠い世界。でも転んでもただでは起きない?winebff。万博記念公園に行く前にちゃっかり下調べをしておりました。ホテルからは阪急直結の地下鉄で山田駅までやってきて、モノレールに乗り換えたのですが、その山田駅付近に一軒良さげなワインショップを見つけました。それがここ「Nord wine store」です。

イタリアやフランスのビオワイン中心のラインナップで、イタリアで修行されたソムリエオーナーの趣味が色濃く反映された店内。かなりおしゃれです。カウンターもあってwinebuffが訪れた際も数人のお客さんがワインを楽しみながら談笑されていました。こういう時にはお店の人に聞くのが一番ですね。今晩の晩酌用ワインを探しているのですが、リコメンドお願いします!

そして数本出して頂いたワインの中から選んだのがこれ。ラングドック地方の赤ワイン「Domaine Bassac Jetaime」。カベルネフラン40%、グルナッシュ40%、シラー20%のブレンドで、なかなかコスパの良いワインでした。

ワインダイアリーのテイスティングメモ

帰路も行きと同様伊丹空港から飛行機に乗りました。となればここは外せないでしょう。再びやってきました「大阪エアポートワイナリー」。今年二度目の訪問です。流石にインターバルが短かったのでお店に変化はないようでした。

前回同様、あまり時間が無かったため、ワインの購入のみで店内での飲食は残念ながら出来ませんでした。いつかはここでゆっくりワインを楽しみたいものですが。前見た時より醸造施設内が雑然としています。今が仕込み等で忙しい時期だからでしょうか。ところで店内のお客は一組のみ。流石にこの昼間の時間帯はお客さんが少なめです。

今回購入したのは、この一本。南オーストラリア州リバーランドのシャルドネを大阪エアポートワイナリーで醸造したものです。やはり葡萄は直接空輸したのでしょうか?味わいはジェントルなシャルドネで、優しいナチュラルな、どちらかというとソーヴィニヨンブランのような印象でした。

ワインダイアリーのテイスティングメモ

今回は、珍しく畑を訪れる事が無い訪問記でした。いつもならばレンタカーを借りて山中や郊外の農地に赴き色々とお話を伺う、という流れなのですが、最近流行りの都市型マイクロワイナリーでは様相が違いました。特にフジマル醸造所は、多くの都市型ワイナリーが葡萄を他所から買い付け醸造のみ行うスタイルなのに対し、地元大阪に自社畑を持ち醸造設備を完備し、なおかつワインに合う本格的な料理も供するという熱量の多さ。果ては醸造設備を自作したり日本の樽で仕込んでみたりと、大阪らしいチャレンジ精神をも併せ持つ「おもろい」ワイナリー。とても印象に残りました。今後も頑張って我々ワイン愛好家を驚かせて欲しいなと思いました。

[winebuff]

伊丹空港と神戸のワイナリー


本年2度目の投稿となります。お久しぶりのwinebuffです。今回は題名通り、兵庫県の2軒のワイナリーを訪問して参りました。目玉はなんと言っても世界唯一の空港ワイナリー「大阪エアポートワイナリー 」です。ビール醸造所がある空港は聞いたことがありましたがワインは初めてです。期待を胸に早速出発と行きましょう。

今回もお馴染みの羽田空港から伊丹空港へと空路移動です。前回は、早朝出発でかなりお疲れモードだったwinebuff一行。その反省点を活かし、この旅はゆとりを持った午後出発に変更。作戦は大成功、と言いたいところでしたが諸般の事情で予定していた便に乗れず、空港で時間を潰す事に。これがケチの付け始めで、この後何度も困難に立ち向かうことになりました。(大体はwinebuffのチョンボだったのですが・・・。)

伊丹空港は、出発・到着ロビーが2階となりますが、大阪エアポートワイナリーは3階にあり、1フロア上がります。この階は空港ホテル以外に飲食店が軒を連ねており、エアポートワイナリーもその一角にありました。ぱっと見普通のレストラン、というか南イタリア料理がメインのれっきとしたワインバルです。

レストランの外壁にどどんと大きく看板が。通行人はいやでも気付きます。以前、伊丹空港には、「グラシアス」というワインショップがあり、winebuffも出張の折によく足を運んだのですが、2018年の空港リニューアルに伴い閉店。代わりにこの様なワイン醸造所併設ワインバルが誕生した模様。製造免許が交付されたのが同年の4月5日だったことから、営業開始当初は他社ワインのみを提供していたとのことですが、現在も自社のワインのみならず、料理に合わせた多種多様なワインをマリアージュされているようです。

レジ横には、販売用のワイン棚があり、エアポートワイナリー以外にも各種ワインが販売されていました。残念な事にエアポートワイナリーの在庫が一種類しかなく、選択の余地なく同社のベーリーAを1本購入。元々製造本数が少ないでしょうから手に入れられただけで良しとしましょう。

ワインバルらしく、カウンターで気軽にワインが楽しめるようになっています。料理は南イタリア料理ですが、主に半径50マイル内の食材を使用と地産地消のコンセプトを掲げており、夜以外にランチも提供するなど、様々な用途に対応した間口の広いお店になっています。

そして奥のカウンター越しに見えるのがこの醸造所の5つのステンレスタンク。自社畑のブドウはまだ無い様ですが、山梨、長野、山形、北海道など、日本全国の契約農家から購入したブドウをここで醸造しています。自社のワインはボトルの販売だけでなくもちろんバルで楽しむことも可能です。何種類ものフレッシュなタップワインが常時提供されているとのことで、飲み比べてみるのも一興かと。

また、エアポートワイナリーでは、ソムリエ・ワインエキスパート資格2次試験対策講座も開講されており、単なるワインレストランというだけでなく、ワインの普及や啓蒙にも積極的に関わっており、自社畑でのワイン作りやその他ワインイベントなど今後の活動にも要注目です。

さて、伊丹空港で予定していたワインも無事入手し、バスで神戸三宮まで移動です。本日は、神戸泊でディナーも神戸で予定しており、時間も押していたので、神戸ハーバーランドの「三田屋」に直接足を運びました。神戸駅から相当歩いてようやくベイサイドのお店に到着。外見もそうですが、内装も古きよき?昭和の正統派レストランといった趣きで、重厚な作りです。

神戸に来たからにはやはり神戸牛。神戸に住んでいた経験もあるwinebuffでも殆ど食べた記憶が無い位の高級牛です。こんな時にしか食べられません。本来ならば、それに見合ったグレートなワインをチョイスすべきなのですが、そうするお会計がととんでもない事になってしまうため止む無くグラスワインを注文。(貧乏臭くてスミマセン・・・。)

写真は、一つが神戸牛のヒレステーキ、もう一つは、国産牛のヒレステーキ。値段は倍以上違います。さて、どちらが神戸牛か分かりますか?因みに、どちらもおいしかったのですが、winebuff的にはやはり神戸牛に軍配が上がりました。

ワインダイアリーのテイスティングメモ
ワインダイアリーのテイスティングメモ

レストランでの食事を堪能した後、タクシーで本日宿泊するANAクラウンプラザホテル神戸に移動。グラスワイン2杯では、全く足りなかったため、先ほど購入した大阪エアポートワイナリーのベーリーAを寝酒代わりに頂きました。

ワインダイアリーのテイスティングメモ

さて、翌朝、近所で借りたレンタカーでやってきましたここは、神戸市西区の小高い丘にある「神戸市立農業公園」こと神戸ワイナリー、通称「神戸ワイン城」です。現在、神戸市が半分近い資金を拠出して設立した半官半民の一般財団法人が運営を行なっています。神戸市西区、北区にある専用の畑と「神戸ワイナリー」内の畑の計約40ヘクタールでブドウを栽培。年間400トンものワインを産出する、国内大手のワイナリーです。農業公園の敷地としては200ヘクタールもあるとの事で、駐車場も広大です。営業が9時からと聞いて9時半過ぎにやってきたのですが、何故かショップ等は10時営業開始との事だったので暫く付近を散策。

駐車場付近の葡萄畑を拝見したのですが、あちこちに見慣れない看板が立っていました。よく見ると様々な企業の名前が。そう、ここはいわゆるワインオーナーズクラブの会員企業様のブドウ畑だったのです。関西の著名な企業の名前が散見され、なかなか手広くやっている印象を受けました。

ブドウはカベルネ・ソーヴィニヨン。生食用ブドウは、7月には既に市場に出ていますが、醸造用ブドウはまだまだこの程度。9月の収穫に向けて先は長そうです。

さて、10時も過ぎましたので、正門からワイナリーに入場致しましょう。入り口付近のバス乗り場に園内マップが立てられていました。ショップの他にも、カフェ、レストラン、バーベキュー場などなど、色々な施設があるようです。今回は、あまり時間もないのでショップメインですが、一通り探索してみることにします。

正門付近にはこの様な立派な石碑が。神戸ワイン発祥の地とありますが、1984年にこの神戸市立農業公園が開園し、同時に株式会社神戸ワインが設立されたとのこと。既に30年以上の歴史があります。

入り口の門を潜ると中央広場があります。修道院の中庭の様な佇まいで、朝一番ということもあり人影もまばら。ちょっと寂しい雰囲気もあります。この回廊沿いに施設が点在していますので、ひとつひとつ見ていきましょう。

この「ワイン熟成館」には、ワインができるまでの工程が説明されていますが、実際には、大小100もの熟成タンクが設置されている場所で、地下では300もの樽が熟成されています。

「工場館」では、そとから瓶詰めラインの見学ができます。訪問した時期はラインが稼働していなかったのでここは素通りしました。最大で6,000本/時のフルボトルの瓶詰めが可能らしく、このあたりも大手の設備だなと感心。ちなみに機械はドイツ製です。

こちらは「ワイナリーカフェ」。まだオープン前だったのでやはり素通り。お昼の時間帯に訪れたならばテイクアウトでランチをと思ったのですが残念です。お店の前では、1回200円のどうぶつの乗り物(年季が入って少々お疲れ気味)が所在なげにスタンバっています。

「ホテル神戸ワイン」、この施設はマップにも載っておらず、HPからも消えています。winebuffも初見でした。少し調べてみましたが随分前に閉鎖されたようです。そういえば、元々運営母体の、神戸市が9割以上出資していた第三セクター「神戸ワイン」も2014年に破産しています。まあこの種の半官半民の組織が債務超過で潰れる話はワイン業界でも良くある話なのですが、ちょっと手を広げすぎたのでしょうか。ワイン城も全体的に施設の老朽化が目立っており、経営の厳しさが感じられます。

屋外には、この様な古いワイン醸造機も展示されていました。これは3螺旋圧搾機で20世紀前半のものです。流石にここでは使われていなかったでしょうから、どこからか譲渡されたのでしょうか。

さあ、それではお待ちかね?のお買い物タイムです。一番乗りかと思いきや、winebuffより先に開店を待っていたお客さん達がいました。横手にワインミュージアムもあるようですが、それには目もくれずショップに急ぎます。

店内は改装されたのか真新しい雰囲気で、広々としています。そして、想像していた以上にワインの種類が多いですね。左手には試飲も出来るカウンターがあり、ワインの他にもノンアルコールのジュースやソフトクリームがありました。ワインの価格帯的には、1,000〜3,000円がメインで、白はシャルドネやリースリング、赤はメルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン系が多く見られました。ワインの他には、カレーやチーズケーキ、ジャムなど神戸土産的な物の数々。これは目移りがします。

何か面白いワインはないかと探していたところ発見しました。ワインショップで先行発売の変わり種ワイン「サクラ・カルテット」です。名前から想像できる通り、神戸産の4種類のブドウ、ヤマソービニオン(52%)、シラー(18%)、ムールヴェードル(18%)、カベルネ・ソーヴィニヨン(12%)のブレンドです。4,840円と結構なお値段(ショップで最も高価なワイン!)でしたが、好奇心に負けて1本購入。

昨日は、外食で散財したので、今晩はテイクアウトでホテルの部屋食にします。ホテルに隣接した新神戸オリエンタルアベニューの3階にある「金寶來」で美味しい中華料理を注文。

「牛肉と筍のオイスターソース炒め」、「海鮮ミンチのレタス包み」、「春巻き」、「エビ蒸し餃子」、「広東風チャーハン」、「揚げ胡麻団子」。見た目はあまりインスタ映えしませんが、どれもおいしかったですし、サクラ・カルテットとのマリアージュも良かったです。

ワインダイアリーのテイスティングメモ
ワインマリアージュのメモ

翌日は、ホテル直結のロープウェイ乗り場から神戸布引ハーブ園へ。約200種、75,000株の花やハーブが咲き集う日本最大級のハーブ園です。神戸の観光スポットとしても有名で、12のテーマの異なる庭園があり、四季折々、様々な花やハーブを楽しむことができます(HPの受け売りです)。

ロープウェイの全長は1,460m。標高400mの山頂駅まで秒速4mで約10分間の空中散歩です。全面ガラス張りのゴンドラは360度全ての景色を見渡すことが出来、神戸の街並みと共に「布引の滝」等の名所を眺めることもできます。

山頂駅で降りると、四季折々の花が咲き集うウェルカムガーデンが目の前に広がります。写真の建物は、ドイツの古城「ヴァルトブルク城」をモチーフにしたレストハウスで、城門に囲われた広場では、レストランやギフトショップの他、各種イベントが行われるホールなどがあります。

ところで何故ワインブログでここにやってきたのか?と疑問に思われた方もいらっしゃるかと思います。そう、winebuffのお目当ては、土日のみ開催される「ハーブマルシェ」です。ハーブ園オリジナルのソーセージ盛り合わせや、ステーキに合わせてこだわりのドイツワインを楽しむ。大自然の中で優雅に(ちょっと早めの)ランチタイムを楽しもうと目論んだのですが。が・・・、あえなく雨天中止。がーん。仕方がないので、一行で宝探しゲームをしたりして、本来の目的である(べき)花やハーブを楽しみました。

画像は、ハーバーランドの観覧車です。今回は、兵庫の2箇所のワイナリーを巡りましたが、とても対照的でした。一つは、現在世界唯一の、空港に醸造所を持つ2018年設立のワイナリー。もう一つは、80年代から地場でワイン作りを行ってきた大手ワイナリー。片方は、畑はおろかワイナリーの設備も出来うる限り簡略化した、「レストランを併設」ではなく、「レストランに併設」されたマイクロワイナリー。もう一つは、広大な自社畑と醸造設備を持ち、レストランやホテルも併設した半官半民の大規模プロジェクトのワイナリー。神戸ワイナリーは一度破産し、その後も厳しい経営状況で奮闘していますが、大阪エアポートワイナリーは、新進気鋭で小回りが効き、活気があります。日本のワイナリーの歴史を辿るような感じで、色々と考えさせられる訪問でした。因みに、帰りの飛行機にも乗り遅れ急遽新幹線で帰京。トラブルが多発した今回の旅。この次からはちゃんと旅行計画を立てねばと反省。

それでは、また次の旅行でお会いしましょう。

[winebuff]

和歌山のワイナリー その2


これはいかんと、流石にwinebuffも危機感を感じ、アドベンチャーワールドからホテルに戻る際、単独行動でワイン探索を実施。いつもならばワイナリーを訪問しその土地のワインを入手して、晩酌がてら飲むという流れなのですが、今回の和歌山旅行では、未だ何も実現出来ていません。元々、winebuffの失態で大幅に予定が狂った為で、誰にも文句は言えないのですが・・・。

車を飛ばしてやってきたのは、「ダイナミックOne」という地場の酒屋です。付近では、有数の品揃えで地元の酒も豊富との事。ここならばひょっとしたら和歌山のワインも置いているかと一縷の望みを持って入店。

店に入ると、既にアルコールの匂いがぷんぷんします。写真では見づらいのですが、奥に巨大な瓶がいくつも鎮座しており、どうやらそこから匂いが漂ってきている様子。瓶には、この地方のお酒(よく見ませんでしたが日本酒or焼酎)が入っており、量り売りされているようでした。うーむ、ここなら期待できそうです。

入り口右手の方がワイン売り場で、フランスやイタリア、その他各国のワインがずらりと並んでいます。品揃えは中々のもので、安価なデイリーワインから高価なプレミアムワインまで各種取り揃えてあります。日本のワインもいろいろあるようですね。んっ、棚の上段に並んでいる見慣れないワインは、ひょっとして和歌山のワインでしょうか?

棚の最上段には、ポップがあって、和歌山のぶどうのみを使用した和歌山ワインですと誇らしげに書かれていました。が、winebuffが知っている、行こうとしていたワイナリーのワインではありません。このワインは知りませんでした。「動鳴気」という名前も相当インパクトがありますが、通常よりコストが4〜5倍!と謳っているワインなんて初めてです。

ワインのテイスティングに関しては、ダイアリーを参照して頂くとして、ブログではもう少し詳細な情報を記載しておきますね。この動鳴気は地名で、原料のぶどうを供給している紀南観光ブドウ園が和歌山県田辺市の動鳴気公園の近くにあることから命名されたようです。同園の甲斐ノワール100%ワインで、醸造は、山梨の東夢ワイナリーが担当しています。最近出来たワインかと思いきや、陳列してあったのは、2009や2010のビンテージ。結構以前から作っていらっしゃったようです。しかし一番新しいビンテージでも2010年とは、このワインは、長期熟成型なのでしょうか。割と謎なワインですが、とにかく貴重な和歌山ワインをゲットし、とれとれ市場のお寿司と一緒にマリアージュ。なんとかワインブログの面目を保ちました。

ワインダイアリーのテイスティングメモ

翌日、ホテルから関西空港に向かう途中で、待望のワイナリーに訪問。ここは、和歌山県有田郡湯浅町にある「湯浅ワイナリー」。湯浅町は、750年前に日本で初めて醤油が作られたという醤油発祥の地で、現在、和歌山随一の本格ワイナリーがあります。、写真は、湯浅ワイナリーの工場で、湯浅町の「一気通貫」産直加工流通加速化センターとして令和元年に建設。広い敷地に最新のワイン製造機器を備えたクリーンかつハイテクな工場との事、これは期待できそうです。

とはいえ、付近に人影はなく、しーんと静まり返っています。シーズンオフという事もあり、少々不安になってきました。もし、ワイナリーが休業ならば、この和歌山ワイナリー訪問記はどうなるのか?ブログの題名変えるか、などと思案しながら恐る恐る近づきます。

ああ、よかった。OPENの文字が見えました。本日は、開いているようですね。試飲もできるとありますので、多分販売もやっているでしょう。それでは、早速中に入ってみましょうか。

工場のエントランス付近には、湯浅町のミニチュア模型が展示されています。先ほど記したように、ここ湯浅町は醤油発祥の地で、付近には伝統的建造物群保存地区があります。時間が無かったのと、予約無しの一見さんは基本的に不可らしく訪問出来ませんでしたが、鎌倉時代に 禅僧覚心(後の法燈国師)が宋より径山寺味噌の製法を伝え、湯浅の良質な水で醤油が作られようになったという逸話が残っています。

エントランスから二階に上がると団体さん向けの試飲ルームがあり、その窓から一階の醸造設備が拝見できます。まだピカピカ光る最新設備の工場で、ちょうどワインの入れ替え作業が行われていました。奥に見えるステンレスタンクは、4万リットルの分の容量があるそうです。

側には、二種類のポップが飾られていました。ワイン以外にもリキュールも生産されているご様子。そうでしょう、和歌山と言えばぶどうというより梅とみかんですから、リキュールには最適です。とても興味が湧いてきました。色々とワイナリーの方にお聞きしてみましょう。

工場の一階にある試飲室。こちらで色々とお話を伺います。入り口には、大きなのれんが掛かっており、ど真ん中に大きく湯浅の文字が。一言でワイナリーと言ってもその設立意図は、多種多様で、個人の自己実現であったり、障害者支援の一環であったり、地方創生の担い手であったり色々なのですが、ここ湯浅ワイナリーは、土地に根ざした地場のワイナリーという感じです。

試飲室左手に製品のラインナップが。ずらりと並んだボトルを見ると、ワインよりもリキュールの方が種類が多いような・・・。お話によるとやはり、売り上げ的には、リキュールの方が多く、リキュール7割、ワイン3割程度だそうです。「勹果(ほうか)」というブランドのこれらリキュールは、和歌山の豊富な果実をもとに作られており、有田みかんや紀ノ川沿いのもも、紀州南高梅にゆず、じゃばらと多品種に渡っています。特に邪(じゃ)を祓う(はらう)ことから名付けられた「じゃばら」は、日本で唯一の飛び地として知られる人口500人程の秘境、北山村の産地で、ユズやダイダイ、カボスの仲間の柑橘類だそうで、とても珍しいものです。

この製品の陳列棚の奥に試飲用のカウンターがあります。残念ながら(いつも通り)、ドライバー担当のwinebuffは、試飲が出来ません。試飲を勧められ「いや、結構です。」と心苦しくも断ろうとした時、winebuff妻のpinomayuが、「私が飲む」と珍しく立候補。

テイスティングは、白のシャルドネと、ゆずとじゃばらのリキュール、合わせて3種類を試飲。因みに、ワインラベルに書かれている200は、100%のぶどうと100%のワインメイキングで優れた200%のワインを作りたいとの意図があるそうです。いわゆるお土産ワインではなく、拘りのある通向けのワインを目指しているとか。ぶどうは、山梨県北杜市から仕入れており、白赤同等位。将来的には湯浅のぶどうでワインを作りたいとの野望?も話して頂きました。

試飲室の一角には、何故か子供向けのコーナーが。早速、winebuff娘は、すみっこぐらしの塗り絵や鬼滅の刃の折り紙で熱心に遊んでいました。

お話は、ワイナリー事業部の部長さんで株式会社TOAの執行役員でもあらせられる井上さんにお伺いしました。営業部長さん?と思うほど話術が巧みで面白く、ついついお土産を買い過ぎてしまいました。井上さん、ありがとうございました。

winebuffは、木樽熟成のTOA 200 KAZEを1本購入。テイスティングは、ダイアリーをご参照あれ。

ワインダイアリーのテイスティングメモ

pinomayuは、リキュールを大量に買い込んでいました。帰宅後、晩酌の際に私も少々お味見をさせて頂きました。写真は、「じゃばら」で、優しい味わいのゆずという感じ。アルコールも7度と軽めなのですいすい飲めます。元々は、鬼も逃げ出すほど酸っぱい事から邪を払うとされていたそうですが、これはかなり甘めの味わいで飲みやすかったです。

さて総括です。winebuffのチョンボはさておき、今回もワイン発展途上県?の地にお邪魔して色々なものを見て学びました(遊んでいたの間違いでは?)。日本ワインの今後を占う意味でも新興地のワイナリーを訪れるのは、とても意義深いものなのですが、それ以外でも新しい事に挑戦する熱意を直に感じる事が出来るので、winebuff的にもいつも楽しみにしています。湯浅ワイナリーの運営会社である株式会社TOAさんは、2014年に「和歌山ワイナリー 」も設立し(というかこちらが先?)、ぶどう栽培からチャレンジもされており、今後の展開にも大いに期待が出来ます。和歌山は、東京からのアクセスも良く温暖な気候で海山の食べ物も美味しいところであり、また後日訪れてみたいと思いました。

和歌山のワイナリー その1


こんにちは、winebuffです。今年も頑張って、全国津々浦々のワイナリー巡りをやります!というわけで、本年最初のワイナリー訪問は、和歌山県です。和歌山と言えば、有田のみかんと紀州の梅が全国的にも有名ですが、もちろんぶどうの栽培も行われておりワイナリーもあります。3時半起きの早朝出発でややヘロヘロ気味なwinebuffとその一行ですが、まずは空路で大阪に向けて出発!

羽田空港に到着してようやく夜が明けてきました。この週末はお天気も良好で屋外活動にも支障が無いようです。寒風吹き荒ぶ荒天ならどうしようかと心配したのですが、大丈夫そうです。

飛行機は大きく揺れることもなく、定刻通り関西空港に到着。朝が早く、かつ新型コロナ感染症の影響もあり空港内はとても静かで人気もあまりありません。朝食をしっかり取るには早すぎたので、ここらで何か口にしようかと探したところ・・・。

第1ターミナル2階に「町家小路」というダイニングコートを発見。ここには、「すき屋」や「SUBWAY」、「STARBUCKS」といったお馴染みのお店が並んでいます。通常ですと人の往来も激しく時間帯によっては激混みになるそうなのですが、今は、ようやくお店が開き始めた頃合いでガラガラです。

知ったお店であれば味に不安もありませんしチェーン店でもよかったのですが、やはり旅ですからその土地でしか食べられないもの、珍しいものをと物色し、面白そうなお店を発見。

「おにぎりバーガー」。いや、むしろ「OnigiriBurger」が正式名称かな。ハンバーガーのように食べる日本文化とアメリカ文化を融合した新感覚なバーガーだそうです。おもいっきりインバウンド目当てな感じで若干引きますが、見た目は美味しそうです。

いわゆる普通のおにぎりよりも大きなサイズで、具もちょっと変わっていますね。焼いたスパムと薄焼き卵の上に肉味噌をはじめ、エビフライ、厚揚げ豆腐&あぶら味噌、大葉としそ昆布、神戸牛などの素材を挟んだメニューがずらっと並んでいます。いやあ、こんなお店は初めてです。結局、肉味噌、厚揚げなどを買い、(匂いが結構したので周りの人に顰蹙を買うと思い)待合席で急いで完食。美味しかったのですが、少し食べづらかったかも・・・。

さあ、いつもですと空港でレンタカーを借りてワイナリーに直行、となるのですが、実は前日に大問題が発生しwinebuff大いに落ち込む、という展開がありました。レンタカーを予約するのが遅すぎて一日目の分が確保出来ず、急遽電車移動となったのです。少し説明をしますと、ワイナリーは葡萄畑と一体、ないしは近隣に位置する事が多く、交通の不便な僻地というのが定番です。地方ですとタクシーを確保するのも大変で、ワイナリー廻りにレンタカーは欠かせない移動手段なのです。それなのに、このwinebuffの軽率野郎め!申し訳ありません(平謝り)。

ということで、本日のワイナリー訪問は延期になってしまい、電車とバスを乗り継ぎやって来たのは、ワインと全く関係のない「白浜エネルギーランド」というテーマパーク。ここは、白浜町にある科学館型テーマパークで、かの松下幸之助が出身県である和歌山県の観光振興を図るため、1981年に遊びながらエネルギーの大切さを学べるパークを作ったのが始まりです。なんと、施設で利用する電力は、地熱発電と風力発電によって賄われているそうです。

海側ゲートでチケットを購入し、エントラスを潜るとエスカレータで登ります。エネルギーの大切さを学ぶというテーマからお堅いところかと思いきや、結構バラエティに富んでいます。

エネゴン(このパークのキャラクターです)と一緒に自然エネルギーについて学ぶ「驚き映像エリア」は、想像通りの施設です。写真は、「太陽の街」という未来都市のミニチュアで、バックのスクリーンでエネゴンと博士がエネルギーの種類と活用法を紹介するという趣向でした。ミニチュアと3D映像が連動していて、とても迫力がありました。

パークには、それ以外にもミステリーゾーンやパラレルワールド、迷路等で体を動かす「体感迷宮エリア」、視覚錯覚を利用したトリックアートハウスや音を奏でる音の森がある「不思議な森エリア」など、エネルギーと関係あるのか?(でも子供が楽しそうなのでまあ良いか)という施設がたくさんあり、家族連れで一日中遊べるようになっています。winebuffも体力測定なるものをちょっとやってみましたが、ダメですね、老いには勝てませんでした(とほほ・・・)。

体を使うとお腹が空くのが道理。腹が減っては戦ができぬ、という事でパーク内のレストランにやってきました。この手のお店は、味はともかく手軽に食べられるメニューが揃っています。梅ラーメンとか梅うどんとか和歌山らしいですね。

さあ、何を食べようかなと食券売り場に向かったところ、んっ。こ、これは、なんだ。まるで火を吹くほどの激辛、「火山カレー」を発見。エネルギーランドらしい雄々しいメニューに触発され思わず注文。

うおー、これは辛い、辛すぎる!と煽ってみましたが、実は、これ中辛バージョンで全然辛くありませんでした。ちょっと話を盛りすぎました、スミマセン。因みに甘口もあります。写真に写っている恐竜は、チキンカツでこれも美味しかったです。

エネルギーランドで充実のひと時を過ごした後、再度ローカルバスに乗りホテルに移動。本日のお宿は、「ホテルハーヴェスト南紀田辺」。光る海、緑の山々、澄みきった青空。そんな自然あふれる南紀田辺の海辺に佇むリゾートホテルです。(ホテルの宣伝文句の受売りです。)

和洋室のお部屋は、広さも十分で、快適です。部屋からももちろん海が一望できます。昨今の事情で部屋食を取ることも多い我々にとって、畳とテーブルがある部屋は貴重です。普段は、ベッドや椅子を利用して食べたりするくらいなので。添い寝をしないでいいのも二重丸。

夕食は、ホテルから歩いて行ける近隣のレストラン「海鮮れすとらん勘八屋」にお邪魔しました。ここは、地元でとれた新鮮な魚介を使った海鮮料理を中心に提供する和食店です。

握り寿司12貫セットですが、とにかくネタが大きい。そしてリーズナブル。もちろんお味もグーです。普段はスーパーのパック寿司か、ごくまれにチェーン店の回転寿司い行く程度なので、この様な本格的なお寿司はそうとう久しぶりです。こういったお店は、(無くはないんでしょうが)ワインメインといったお店は少ないので、余計に足が遠のいていました。

ここは海鮮だけでなく、揚げ物も充実。写真の串カツは肉や野菜など種類も豊富で、とても美味しく頂きました。ワインにも合いそうでしたが、お酒は、ビールの他、日本酒・焼酎がメインでめぼしいワインは無し。そりゃそうですよね、海鮮居酒屋なんですから。とうとう、この日は、ワインとは全く関係の無い一日で終了。おいおい、ワインブログなのにそれで良いのか!と自問自問しつつ明日へ続く・・・。

翌日、風も穏やかな快晴の予報で、勇んでやって来たのは今度こそワイナリー、ではなくアドベンチャーワールド!?いや、実は、目指していた和歌山のワイナリーは、和歌山の湯浅町にあり、ホテルのある南紀田辺からかなり北、関西空港からだとちょうど中間辺りで、非常に行きづらい場所にあるのです(苦しい言い訳)。実態は、winebuffとしても家族サービスも必要で、ここは止む無く涙を飲んでまたまたテーマパークに行くという結論に。多数決ですから仕方ありません・・・。

気を取り直して、パークの説明をば少々。ここアドベンチャーワールドは、とにかくパンダで有名で、何とパンダを7匹も飼育しています。しかも、この季節ですとお客さんも少なく、パンダ見放題。遠くからパンダのお尻をチラ見する程度しか出来なかった上野動物園などとはレベルが違います。(上野動物園の方、気を悪くしないで。)

園内もパンダだらけ。ここにもパンダ、あそこにもパンダ。遊具も水飲み場も自販機もスタッフの仮装もみんなパンダ仕様です。

もちろん、園内のレストランもパンダメニュー全開。写真のものとは少し違いますが、winebuff娘もパンダのお子様ランチを注文。私は、寒かったので暖かい汁物をと思い、パンダそば。因みに、このパンダは、魚の練り物(はんぺん?)で出来ていて歯応えがありました。

もちろん、飼育されているのは、パンダだけではありません。アドベンチャーワールドには8種類、約450羽のペンギンが暮らしています。ペンギン王国の名に恥じない規模ですね。しかも、日本では2箇所しかないという、ペンギンの中で最も大きいエンペラーペンギンが見られるのです。来園時は、ちょうどエンペラーペンギンの赤ちゃんが誕生したすぐ後で、とても可愛いい姿を拝見できラッキーでした。

このパークはもともと「南紀白浜ワールドサファリ」と名付けられていたくらいで、サファリがメインといっても過言ではありません。写真の「ケニア号」という専用車に乗って巡るもよし、カートやジープ、はたまた自転車や徒歩でも探検可能(肉食獣エリア等は不可)とあって、子供も大人も楽しめる大人気アトラクションです。

そして、一番の感動と興奮を味わえるアトラクションは、これ、ビッグオーシャンで行われるイルカショー、マリンライブ「smile」です。イルカとトレーナが共演する大迫力のマリンライブで、様々な趣向が凝らされており、日本でも有数の素晴らしいパフォーマンスが楽しめます。winebuff一行もショーを観覧して大興奮。これだけでも来てよかったと思える内容でした。

しかし、winebuff娘的に最高だったのは、プレイゾーンの屋外遊具に加え、こちらの施設「エンジョイドーム」。雨天でも大丈夫な屋根付きドームで、こちらにもジェットコースターやメリーゴーランド等の遊具があり、体を使って遊べる「わくわくキッズジャングル」も。付き添い人のwinebuffは、じっと見ているだけだったので体が冷えて難儀しましたが。

一杯遊んだらお腹が空きます。今晩も昨晩に続き、海鮮物をチョイス。バスやレンタカーで何度も通りかかったので気になっていた「とれとれパーク」に。日本最大級の海鮮マーケットを中心とした白浜のリゾート施設で、市場やお寿司屋以外にも宿泊施設や温泉、屋形船など手広く商売しているようです。

我々は、「海鮮寿司とれとれ市場」に赴き、お寿司その他をテイクアウト 。今日はなかなか美味しそうです。って、全然ワインが出てこない!!これで良いのかwinebuff。ワインブログなのに結局一度もワインの話題が出てきませんでした。2visitasワインブログ、最大の危機?緊迫の次トピックに続く・・・。

中部地方のワイナリー


みなさん、こんにちは。最近は、国内ワイナリーを精力的?に訪問するwinebuffです。最初、国内のワイナリー巡りといえば北海道や山梨などの有名どころが主だったのですが、四大産地など一通り行ってしまうと、その後は、あまり知られていないマイナーな地域にも足を伸ばすようになりました。昨今のワイナリーブームの追い風もあり、全国で新規ワイナリーが雨後の筍のように増え、もはやwinebuffもその総数を把握し切れていないほどです。ですので、まだまだ訪問可能なワイナリーが沢山あります。

前置きはさておき、今回は、中部地方、愛知と岐阜のワイナリーにお邪魔しました。名古屋駅まで新幹線で行き、その後は車移動です。今回は、今までに無い変わり種のワイナリーという事で、私もちょっと期待しています。何が変わっているかって?早速ご説明いたしましょう。

やってきたのは、多治見修道院。岐阜県多治見市にあるこの修道院は、1930年(昭和5年)にカトリック神言修道会のドイツ人宣教師モール神父によって設立されました。当時は、外国からの宣教師が大勢ここに来られ、日本語の勉強をしながら修道生活を送ったり、キリスト教布教のための拠点として利用されていたようです。中世ヨーロッパを彷彿とさせる独特の建物は、圧倒的な存在感があり、多治見市の観光地としても有名です。

でも何故、修道院?ワイナリーと何の関係があるの?と思われた方もいらっしゃるかと思います。winebuff一行が訪れたのは、もちろんここでワインを作っているからです。言い換えると、この修道院自体がワイナリーでもあるという事です。ふうむ、では早速、正門をくぐってみましょう。残念ながら建物内は撮影不可になっているので、屋外の写真のみになります。あしからずご了承ください。

建物入り口のすぐ側に修道院の地図があります。それを見ると一目瞭然なのですが、院内にぶどう畑が広がっています。3千坪にも及ぶワイン用ぶどうの栽培と地下の醸造施設、もうこれは立派なワイナリーです。実は、設立当初からここでミサ用ワインを作っており、後年それが多治見ワインとして世に広まっていったとか。日本で唯一の修道院ワインとしても有名なんです。

正門脇には、聖母マリア像が荘厳な立ち姿で訪問客を見守っています。こういったところは教会の定番風景ですね。そうそう、修道院と名前が付いているのですが、教会も併設されています。1930年の設立より(移転で一時期中断もありましたが)、院内にカトリック多治見教会があります。初代主任司祭は、修道院のモール神父が兼任されていたそうで、修道院の聖堂と一部施設を使用して宣教等の教会活動も行っているそうです。

建物の前に広がるぶどう畑ですが、訪問した11月は既に収穫は終了しており、ぶどうの枯れ葉が残るのみ。例年ですと11月に修道院主催のワインフェスタが開催されるのですが、去年今年と新型コロナウイルス感染症予防の観点から中止となっており、やや寂しい雰囲気です。フェスタでは、フードの出店が並んだり、様々な国の修道院ワインが楽しめたりととても魅力的な催しのようだったのでとても残念です。来年こそは、復活して欲しいですね。

畑では、新しいぶどうの苗木を植えているところもありました。修道院の畑で栽培しているぶどうは、赤は、マスカット・ベーリーAやカベルネ・ソーヴィニヨン、白は、あまり聞き慣れないローズ・シオターという種類だそうです。ローズシオター種は、1920年代にかの川上善兵衛氏によって作られた、ベーリー種とシャスラー・シオター種の交配種です。

建物を回り込んで「やすらぎの道」を行きます。道の両脇もぶどう畑が広がっており、winebuff娘は、たんぽぽの綿毛を取るのに懸命でした(苦笑)。

やすらぎの道の終点に多治見修道院墓地があります。この地で宣教師としての使命を全うされた神言会司祭、修道士の方々が眠っておられます。静寂が支配している厳かな雰囲気の場所です。

建物を入るとすぐに大聖堂があり、大聖堂入り口右手に小さな売店がありました。そこでwinebuffは、赤ワインを1本購入。後述するワインフェスタの陶器のグラスで後日ワインを頂きました。因みにワインは、赤、白、ロゼ各一種類のみで、それぞれフルボトルとハーフボトルがありました。ハーフでも良いかなとも思ったのですが、ハーフの赤が売り切れだったのでフルボトルを購入。正直ちょっと高いと感じたのですが、寄付のつもりで買いました。

ワインダイアリーのテイスティングメモ

さてさて、修道院を後にしたwinebuff一行は、次は腹ごしらえとばかりに移動を開始。事前にあまり調べてこなかったのですが、付近で車が停められる美味しいお店を探し、前日重ためのディナーを食べていたこともあり、あっさり和食をチョイス。やってきたこの讃岐うどん屋「たじみ庵」もちょっと変わっていて、太陽社電気多治見工場の敷地内にありました。工場の社員さんらしき人たちも多く、一瞬社食かと思ったくらいです。お昼時で人も多く、結構待たされたのですが、食事自体はうどんという事もあり、さほど時間は掛かりませんでした。

せっかくですからご当地っぽいものをと思い(と言いながら讃岐ですが)、味噌煮込みうどんを頼みました。見た目よりもあっさりしていて味噌のしつこさは感じませんでした。

winebuff的には、こちらのカレーうどんの方が好みで、こちらもさほど辛くなくあっさり系の味付け。体もホカホカ暖まるのでこれからの季節にぴったりです。

体も暖まったところで、それでは次のワイナリーへと参りましょう。岐阜県から愛知県へと車を進めます。県跨ぎとなりますが、これから行くワイナリーは多治見修道院と関係の深いところです。何故なら、多治見修道院のワインを醸造しているのが訪問予定の小牧ワイナリーだからです。修道院から車で20数分、15km程離れたところに小牧ワイナリー があります。このワイナリーも昨今の感染症対策でサービスを制限しておりオープンしているか少々不安だったのですが、よかった開いていました。

建物は、この様にショップとカフェ、多目的ホールの入っている棟と醸造施設の棟の2つに分かれています。小牧ワイナリーは、正式名称が「社会福祉法人AJU自立の家 小牧ワイナリー ななつぼし葡萄酒工房」といい、障害者の就労支援の場として愛知県小牧市に2015年にオープンしました。新進のワイナリーの様に思えますが、実は、2003年よりワイン事業に取り組んでいるそうで、元々は多治見修道院でワインを作っておられたとの事。現在は、ここ小牧ワイナリーと多治見修道院で、障害者の方々がぶどうの栽培と醸造、それに販売までされているそうです。このあたりは、ココ・ファーム・ワイナリーのこころみ学園と合い通ずるものがありますね。

まずは右手のショップに入ってみましょう。残念ながらカフェの方は現在休業中で、近日再開に向けて準備されているそうです。当初、ここでお茶かランチをと考えていたのですが、まあこれは仕方ありませんね。因みにゴールデンウイークに開催されるワイナリーのビッグイベント、春のぶどう酒祭りも今年は中止に。早く以前の様な日常が戻ってきて欲しいと切に願っています。

ワインのブランドは、「ななつぼし」。幸せを運ぶと言われるてんとう虫からとった「ななつぼし」が名前の由来だそうで、小牧産や名古屋産のぶどうの他に山形県産のぶどうを使ったワインがありました。オーストラリアに所有する畑のぶどうで作ったワインもあり、こちらはAJUワインとして販売。変わり種は、写真中央に見える「料理用ワイン」。ワイナリーで料理酒が売られているのはあまりない上、普通にワイン用フルボトルで販売されていたのには少々驚きました。

そして、ワインの購入者には、もれなく陶器製のワイングラスをプレゼント。太っ腹と思ったのですが、よく見ると多治見修道院のワインフェスタの刻印が入っています。それも10年以上前のもの。余り物の処分かよと突っ込みたくなりましたが、AJUワインを1本購入したということもあり有り難く1つ頂戴しました。(前述の写真参照)

ワインダイアリーのテイスティングメモ

さて、無事ワインもゲットしてショップを出てふと横を見ると、二つの棟の間に通路らしきものが。「ぶどう広場 見学順路」と張り紙がしてあり、誘導の矢印も。奥の方に何かあるようですので、見てみることにしましょう。

右手には、かなり年季の入ったワイン樽が二つ。塗装し直しているようですが、ワインが入ってる様には見えません。確信はありませんが、多分、使い終わった樽をテーブル等に再利用しようとしているのでは無いでしょうか?

左手には、飛ばされないよう生木の重しを乗せたテントが。よく見ると小さな説明板がついています。「アパッシメント製法(日陰干し)実験場」と書いてあります。日陰の「日」の部分に「ここ重要」とわざわざ注釈が打ってありました。アパッシメントは、ご存知の方もいると思いますが、イタリアやチリなどで行われる、完熟ブドウを3、4ヵ月陰干しし水分を取り除いて糖度を上げる手法です。糖度の高いぶどうを使った方が良いワインが出来るのですが、いちいち陰干しをするのは手間と時間が掛かります。しかし、小牧ワイナリーでは、「陰干し」ではなく「日陰干し」なんですね。ぶどうを日に当てて乾燥して良いのでしょうか?説明には、更に「10月から2(3)月まで。絞って発酵まで行けたら儲けもの」とありました。なかなか面白い取り組みですね。

通路を抜けると裏手に出ます。「ぶどう広場」はいずこに?どう見ても作業場で、薪の様なものが散乱しています。人っ子ひとり見えません。その向こうには、既に収穫を終えたぶどう畑が広がっています。写真には写っていないのですが、施設の前が広場になっており、子供の遊具やアスレチック器具が設置されていました。winebuff娘も遊具で遊びましたし、車でやってきた家族も何組かいました。ワイナリーは近隣住民の憩いの場としても利用されている様子でした。

おまけ:帰りの新幹線では、富士山がとても綺麗に見えました。

今回は、というか今回もワイン過疎地(もとい新興地)のワイナリーに足を運びました。町おこしの6次産業の一助としてワイナリーを起こす、または脱サラして自己実現のマイクロワイナリーを起こすなどというパターンは多いのですが、この様に障害者支援の一環としてのワイナリー起業はそれほど多くなく、とても印象的でした。また、その様なワイナリーが修道院とつながり協力しあっているというのも稀有な例かと。正直ワインの味は優れていると言い難いのですが、修道院ワインもななつぼしワインも今後に期待したいと思ったwinebuffでした。

[winebuff]


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