長野県上田・佐久地域のワイナリー


暑い日が続きますが、皆さま体調管理にはくれぐれもお気をつけ下さい、winebuffです。夏といえばやはり避暑地。今日は日本を代表する避暑地、軽井沢がある長野県のワイナリーを訪問します。(苦しいこじ付け・・・)コロナ禍の前にも長野のワイナリーは訪れたことがあったのですが、今回は、前回未訪問のワイナリーにお邪魔してきました。最初は、ここ「シャトーメルシャン 椀子ワイナリー」です。

上田市丸子地区陣場台地にあるこのワイナリーは、2003年に「椀子ヴィンヤード」として葡萄の栽培が始まり、16年後の2019年にワイナリーとして開業。陽当たりの良さ、降水量の少なさ、排水性・通気性に優れた畑で世界クラスのワインを作っている日本でも有数のワイナリーです。

ワイナリー名にある「椀子(まりこ)」の由来ですが、6世紀後半、この土地が欽明天皇の皇子「椀子皇子」の領地であったことから「椀子ヴィンヤード」と命名されたそうです。また、丸子町史によると、丸子町の古代名も「椀子」であったと言われています。

写真は、メルロー畑の葡萄です。訪れたのは、8月の後半なので葡萄の実も結構大きくなって色づいていました。この日は、気温自体はそれほど暑くは感じませんでしたが、日差しが強烈であっという間に日焼けしそうな勢いでした。これだけの日照があれば良い葡萄が作れるだろうなと納得。ワイナリーに車でくる途中、天候不順で結構雨にも降られたのですがここは、快晴。さすが良い土地だと感心しきり。

早速、まだ新しい瀟洒な建物の玄関を潜ります。このワイナリーは、ワインツーリズムに取り組む世界最高のワイナリーを選出する「ワールド・ベスト・ヴィンヤード2023」で、 唯一4年連続選出の日本のワイナリーだそうで、アジアNo.1とのこと。とても誇らしいですね。

入口を入ったすぐのところに、ガラス越しに醸造設備や樽貯蔵庫が見えるホールがあります。収穫時期の仕込みの作業風景がおすすめらしいのですが、残念ながら今日はお休みのようで稼働はしていませんでした。

東京ドーム約6個分の広さがあるといわれるヴィンヤードの全体マップです。赤は、メルローやシラー、カベルネ・フラン、白は、シャルドネやソーヴィニヨン・ブランなど約8種類のブドウが垣根方式で栽培されています。

印象的な日本画(シャトー・メルシャンの3つのワイナリーから生まれる最高峰のアイコンワインをイメージした日本庭園だそうです)をバックに、シャトーメルシャンのフラッグシップ・ワインが誇らしげに飾られています。お値段の方もフラッグシップにふさわしい価格となっており、winebuffは、ちょっと手が出ませんでした・・・。

エレベーターで2階に上がるとテイスティングカウンターがありました。ワイナリー限定ワインやシャトー・メルシャンの各産地のワインが常時10種類程度、試飲できるようです。確認はしていませんが、日替わりで地元の食材を使ったおつまみも提供されているとか。

奥の壁際にある窓からは階下の樽貯蔵庫が一望できました。約29ヘクタールの畑から年間生産5,000ケース(2019年度)ものワインが作られます。この貯蔵庫ひとつ取ってみてもその規模の大きさが想像できますね。

そしてもちろんお目当てのワインショップも併設されています。椀子ヴィンヤードのワインだけでなく、シャトー・メルシャンの各産地のワインが常時30種類ほど販売されています。ここでしか買えない限定品や椀子ワイナリーオリジナルグッズもありました。

winebuffが吟味に吟味?を重ねて購入したのがこの二本、「椀子メルローブロック4 2021」と「椀子カベルネ・フラン樽選抜 2018」です。どちらもワイナリー限定の素晴らしい逸品です。

先客の方々がワインのテイスティングをされていたようです。何と、椀子ヴィンヤードのフラッグシップである「オムニス」も!ここでは、現在「椀子ディスカバリー・ツアー」、「椀子ワインメーカーズ・ツアー」、「椀子ウォーキング&ランチツアー」、「SDGsツアー」 の4種のツアーが開催されていて、それぞれ5〜6種類のワインテイスティングができます。winebuffもぜひ参加してみたかったのですが、いかんせんドライバーでしたので・・・。

気を取り直して次に向かったのは、信州は小諸の御牧ケ原の小高い丘にある「ジオヒルズワイナリー」です。金、土、日曜限定ですが、ここでカジュアルなベトナム料理のランチが頂けると聞いてやってきました。ワイナリー名は、ベトナム語のGió(風)と英語のHill(丘)を合わせてGió Hillsという名称にしたそうです。ベトナム料理が食べられることといい、ワイナリー名の一部にベトナム語が使われていることといい、何かベトナムと縁があるのでしょうか?とても気になります。

ああ良かった。本日は、オープンしていますね。このワイナリーは、島崎藤村ゆかりの宿である中棚荘が設立しました。、年間降雨量が非常に少なく、また昼夜の寒暖差も大きい冷涼な気候なので、葡萄の栽培にとても適しているそうです。訪問当日は、かなりの暑さで屋外を歩くのも大変なくらい。これは日傘でも持ってきた方が良かったかも。

入口の床がガラス張りになっていて、階下のステンレスタンクを見ることができます。今年の分は、まだ収穫していないので空なのでしょうか?葡萄は、2002年にシャルドネを、2008年にメルロー、2010年にピノ・ノワール、2015年にソーヴィニヨン・ブランを植樹し、順調に規模を拡張されているようです。

さて、お目当てのランチメニューです。バインミーとは、やわらかめのフランスパンにいろいろな具材を挟んだベトナムのサンドイッチです。バインミーは本来ベトナム語で「パン」という意味ですが、パンといえばフランスパンなのだそうです。さすが旧宗主国。

winebuffは、迷わず?ビーフ・バインミーをチョイス。バインミーに挟む具材は、さまざまですが、ハムやチャーシューなどが定番なのだそうです。それ以外にも、レバーペーストやパクチー、ニョクマム、大根や人参を使用したなますなどなど。どこでも買える手軽なファストフードで、国民食と呼ばれるほどポピュラーな食べ物なんだそうです。お味の方は、見た目よりもあっさりしていて食べやすい、タレの濃さもちょうど良く、あっという間に完食してしまいました。

店内には、ワインの販売も。樽の上に乗っているのは、ジオヒルズの白ワインやシードルなのですが、樽の横には、ベトナムのノンラー(円錐形のラタニアの木の葉でできた帽子、ベトナム人の伝統的な葉笠)のようなものが飾ってあります。うーむ。

ふと横を見ると、これまたベトナムのお菓子やコーヒー、ジュースなどの食品や、バッグなどの工芸品などがずらり。ひょっとしてオーナーの方はベトナム人?、と思ったら違いました。調べたのですが、実は、醸造責任者の富岡さんが2010年から5年間、ベトナム・フエ市でストリートチルドレンの保護・教育を目的とした施設「子どもの家」でボランティア活動をされていて、その流れでワイナリー名やワイン名、お土産などにベトナムゆかりのものが使われているとのこと。存じ上げず失礼いたしました。

ワイナリーの前は、広々とした畑が広がり...と言いたいところなのですが、ヴィンヤードは、少し離れたところにあるらしく、ここからは拝見できませんでした。代わりにあったのが、御牧ヶ原地区の農業の再生を目的とした「県営畑地帯総合土地改良事業」の一環として作られた調整池の「みまき大池」です。20億円以上の予算を注ぎ込んで行われた事業で、この「みまき大池」を中心とした地域農業の発展に期待が寄せられているとのことでした。

そしてなぜか綱に繋がれたヤギの姿も・・・。このヤギさんは、中棚荘に住んでいるワイナリーのマスコット?ヤギのピノくんで、ワイナリーの除草担当だそうです。winebuffが近寄っても驚くこともなく、ムシャムシャ草を食べていました。

ここで購入したのが、上田市産りんごを使用したシードル「ホンゴックシードル」です。ホンゴック(Hồng ngọc)とはベトナム語で「紅い宝石」という意味だそうです。「紅玉の酸味を活かすため、瓶内二次発酵でデゴルジュを行い、辛口ドライに仕上げたました。紅玉のキリッとした酸味が骨格となり、青リンゴの果実味が感じられます。 (文:ジオヒルズワイナリー)」

ワインダイアリーのテイスティングメモ

ワインダイアリーのテイスティングメモ

本日は、上記3本を購入したのですが、当日行われた親戚とのバーベキューで全て飲んでしまいました。椀子ヴィンヤードの2本はフランスワインにも負けない本格派で、バーベキューのお肉に最適。シードルは、食前酒代わりに頂きました。短いwinebuffの夏休みは、やっぱりというか何というか、ワイナリー巡りでした。今回もドライバーで一滴も試飲できなかったのですが、ワイナリーで美味しいランチを頂き、バーベキューで楽しくワインを飲んだので良しとしましょう。それでは、また次回のワイナリー訪問でお会いしましょう。

[winebuff]

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