長野ワイナリー紀行その1
今年は、積極的にブログを更新(といっても数ヶ月に一回程度)しているwinebuffです。
この夏は、家族で群馬の家(winebuffにとっては義理の祖父の旧宅)に出かけて、娘に初の田舎ライフを体験させました。家の周囲は、もの凄い僻地なのですが、軽井沢に近いという事もあり、車で長野のワイナリーまで足を伸ばす事ができました。
マンズワイン小諸ワイナリー
〒384-0043 長野県小諸市諸375
最初にやってきたのは、ここ「マンズワイン小諸ワイナリー」。長野県は、日本の中では比較的降水量が少ない県で、日照にも恵まれ一日の寒暖差も大きい、葡萄栽培に適した地域です。マンズワインは、1971年に醸造用ぶどう契約栽培をこの地で始めました。カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シャルド等の欧州系品種をメインに据えており、長野県産の葡萄のみで作るプレミアムワイン「ソラリス」シリーズが世界的にも高い評価を受けている、日本有数のワインメーカーです。
車でワイナリーに到着したのが、ちょうどお昼どきだったので、まずは、ランチをと、メインの建物の二階にあるカフェ・レストラン「ラ・コモーロ」に向かいました。室内の席もありましたが、今日はせっかくの上天気だったので、畑を一望出来る屋根付きテラスに座りました。
お盆の時期だったので混雑が心配だったのですが、(実際、当初予定していた他のワイナリーのレストランは、予約で満席状態。)運良くテラス席に陣取る事ができました。
テラス席と言っても、空調が効いた申し分の無い空間で、汗をダラダラ流して「やっぱり自然の風が気持ちいいね」などとやせ我慢する必要もありません。メニューには、ワインにベストマリアージュの本格フレンチもあったのですが、飲酒はご法度の悲しいドライバーのため断念。
まあ、子連れですからそんなメニューは頼めません。結局、注文したのは、無難かつ定番のパスタやピザの品々。自然を愛でながら食べる食事は、最高!と言いたかったのですが、お味自体は、まあ普通。美味しくも無し不味くも無し・・・。ここにグラスワインでもあれば、と昼から優雅にワインランチをしている隣客を横目で睨みながらのランチタイムでした。
とはいえ、眺め自体は最高で、葡萄畑を俯瞰する席でのランチは、なかなか無い貴重な経験でした。おや、何やら畑のすみに巨大な樽みたいなものが見えますね。
この巨大な素焼きのカメは、古代ワイン史のモニュメントというべきもので、スペインのラ・マンチャ地方で今でもワイン造りに使用されている「TINAJA(ティナハ)」です。マンズワインは、スペインから輸送した現物を小諸と勝沼の両ワイナリーに一つずつ展示しているそうです。
メインの建物の一階は、通常のショップになっています。大手のワイナリーなので扱っているワインや土産物も多くあるのですが、プレミアムワインである「ソラリス」シリーズは、注文する毎にわざわざセラーから運んできてくれます。ですので、コンディションも抜群です。winebuffは、ソラリスのカベルネとメルローを計二本購入!
このマンズワイン小諸ワイナリーは、敷地も広く、レストランやショップ以外にも見所があります。必見なのが、「万酔園」という信州の風土を模した約三千坪の日本庭園です。庭園の地下には、通常非公開のセラーが広がり、特別なイベントの際に公開される茶室もあります。ぶどう文様の敷石は、きめ細かい愛知県産の三州瓦に手彫りで装飾を施したもので、小諸に7年暮らした明治の文豪・島崎藤村の歌碑もあります。
庭園の一角には、樹齢100余年の善光寺ぶどう(龍眼)も。三代目社長であった茂木七左衞門が民家の庭先で偶然発見したという、絶滅品種の善光寺ぶどうの原木がこのワイナリーに移植されています。
雨の多い日本のワイナリーでは良く見られる、ビニール被覆を組み合わせたレインカット栽培ですが、それを考案したのがマンズワインに勤めていた志村富男氏で、マンズレインカット栽培法と呼称されています。ワイン用、生食用ブドウのどちらにも適用可能で、雨に当たらないため、農薬の薬剤散布が少なくてすむメリットもあります。
さあ、腹ごしらえも終了しましたし、次のワイナリーへと向かいましょう。
[winebuff]