ワイン祭り in ハウステンボス その2


さて、ハウステンボス内のホテルに宿泊した次の日、今度は、真っ昼間からワインを飲むべく、ワイン城へと足を運びました。Goldコースは、前回お話したように、ショップ内のサーバーから10種類(プラスチック小カップに10杯)と、店外屋台のワイン90種類飲み放題のセットです。ショップ内のワインは、昨日めぼしいものは飲んだので、専ら90種類のワインを試飲していきます。

今回、飲みながらふと思ったのですが、劣化防止機能付きワインサーバーのワインと屋台の野ざらしワイン、明らかにサーバーのワインの方が高級で値段も高いのですが、屋台の安いワインの方が全体的に美味しく感じました。ワイン個別の味という訳ではなく、ぶっちゃけ、劣化防止といってるけど劣化してるんじゃないの?という疑問です。サーバーのワインは、野ざらしにしておいた際の劣化と異なり、高温による過熟成の劣化でなく化学変化?による劣化の様な感じです。あくまでwinebuff個人の感想ですので、どうかご容赦ください。

本日の一本目は、ハウステンボスオリジナルワイン「プライベート キュヴェ ルージュ」です。バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドとのコラボって言ってますが、要は、ACボルドーのオリジナルラベルか?味わいは、まあ普通の金賞受賞ワインレベル。可もなく不可もなくといった感じでした。

お次は、オーストラリアワイン、「テナシティ オールド・ヴァイン シラーズ」です。オーストラリアのシラーズは、低価格帯では、特に補糖のし過ぎ?で平板で甘い系の味が多いのですが、これは中々まとまっています。濃過ぎず薄過ぎず、まろやかであまり人工的でないぶどう本来の味わいを上手く引き出している印象でした。

あちこち飛びますが、今度はスペインワイン、「グランバホス トロ」です。テンプラ二ーリョ100%で、スペインワインにありがちなバニラ香がたっぷり。濃甘系ですが、この価格帯ですので飲み疲れる事はなさそうです。デイリーワインとして考えるなら有りかな、と思いました。

バイヤーセレクションは、色々な国から満遍なくセレクトしているのでしょうか?4本目に選んだのは、アメリカはソノマのワイン、「ブエナ・ヴィスタ・ソノマ・ピノ・ノワール」です。本家のブルピノがエレガントで繊細な味わいなのに対し、新大陸のピノは、素朴で大らかなイメージ。このワインもやや酸味苦味が気になったのですが、総じて大人しめでバランス重視。値段もピノとしては手頃で、ピノファンには嬉しい限りです。

同じアメリカのソノマですが、今度は、アレクサンダーバレーの「リース・カベルネ・ソーヴィニヨン」です。カリカベですから基本濃厚なフルボディが多いのですが、このワインは、しっかりした骨格を持ちながらも、ミネラリーでスパイシーといった個性的な味わいがありました。樽香由来の甘いバニラ香も印象的でした。

バイヤーセレクション最後のワインは、フランス産の「ドメーヌ サン・ニコラ ギャム・アン・メ ルージュ」です。ロワール地方のガメイ100%のビオワイン。ガメイと言ってもボジョレーヌーボーの様な軽くで泥臭い(すみません)ワインではなく、洗練された味わいで果実味も十分。やや酸味が気になったのですが、バランスはそんなに悪くはなかったです。

ワインの城のお店の裏手は通路になっていて、この様に屋台と椅子&テーブルが配置されています。普通に人も行き交っているのですが、みな全く気にする素振りもみせません。今日は、良い天気で暑くも寒くもなく、屋外で飲むには絶好のコンディション。お客さんも入れ替わり立ち替わり、幅広い年代の方々がワインを楽しんでいました。

反対側を見ると、このように立ち飲み用テーブルがいくつか配置されていました。winebuffは、ワインだけだったのですが、どうやら近隣のお店からテイクアウトをしてきて、ワインと一緒にゆっくりマリアージュを楽しんでいる人もいたようで、様々な制約条件?を抱えるwinebuffとしては、ちょっと羨ましく感じました。

そんなこんなでワインの精力的な試飲による判断力の低下が生じていた時(要は、酔っ払ってボーとしていただけですが)、なにやら店員さんが声を上げながら歩いているのにふと気づきました。離れていたせいか何度聞いても内容がよく理解できなかったので、仕方なく店員さんにトボトボついていくと、少し離れた場所でワインセミナーが始まるという事がようやく分かりました。

こう見えても素人なりにワインのことをまあまあ知っているwinebuff。今更、こんな初心者向けセミナーに参加してもな、と最初は思ったのですが、珍しいポルトガルワインのセミナーと聞いて、興味が湧いてきました。ポルトガルと言えば酒精強化のポート、マデイラワイン位しか知りません。今回は、普通の赤、白ワインの話という事だったので、開催前から椅子に座って大人しく待ちました。

「まあ、小難しい話は兎も角、取り敢えず飲みましょう。」と捌けた講師の方の音頭で、キンキンに冷やした白ワインで乾杯。「この中でポルトガルに行かれた方は?」と聞かれたのですが、様々な国のワイナリーに行った事があるwinebuffでも手が上げられませんでした。もちろん誰も手を上げてませんでしたが・・・。ここでは、詳細は省きますが、あまり知らなかったポルトガルワインの色々な話が聞けてとても有意義なセミナーでした。先入観で判断してはいけませんね。

ともあれ、二日間に渡って参加したワイン祭りはこれにて終幕。単に飲んでただけだろうというご批判もあると思いますが、この様なテーマパークで行われるワインイベントには初参加だったので、新鮮味があり楽しかったです。ゴリゴリ?のワインイベントと違って、ワイン初心者も抵抗なく参加できるゆるい雰囲気も良いな、と思った次第です。

ではまた次のブログでお会いしましょう!

[winebuff]

ワイン祭り in ハウステンボス その1


今年は、精力的に(といっても月一にも満たないのですが)ブログを更新するwinebuffです。今回は、長崎のハウステンボスにやって来ました。ワインブログなのになぜ長崎?と思った方、なかなか鋭いですね。実は、ハウステンボスでワイン祭りのイベントを開催しており、これは!と思って参加した次第です。秋は、葡萄の収穫時期でもあり、ワインイベントが全国的に多数行われているのですが、山梨や長野、北海道と行った銘醸地ではなく、あえて南の九州の地を選んだのは、意味があります!家族全員が楽しめて、かつワインが昼間から堂々と飲める所と言えばここしかなかったのです。(嘘)

とまあ、能書きはさておき、羽田から長崎空港にやってきたwinebuff一行は、ターミナル直結の船着場にやってきました。もちろん電車やバス等でも行く事が可能なのですが、直接ハウステンボスのハーバーに行く船便もあり、我々が宿泊するホテルがハーバー側にあったため、迷わず即決!ターミナルから少し(というか結構)歩きますが、取りあえず雨に濡れる事もなく高速船が係留されている港にたどり着きました。

外から見ると速そうな船なのですが、船内に腐食した木造部分があったり、操縦席のモニターが巨大なブラウン管?みたいだったりと、結構年季が入っています。一抹の不安を感じながらも出発。

・・・。・・・。・・・。
 
トッテモウルサイデス。

高速船と聞いていたので、ジェットフォイルの様なものを想像していたのですが、これは普通の船です。普通の船が頑張って走っているだけなので、波を切る音がうるさく、かつガツンガツンと衝撃が来ます。聞くところによると速度は30ノット(時速約55km)程度で、時速100km位出ると思っていたwinebuffには、ちょっと物足りない感じでした。
(*国土交通省海事局によると、航海速力22ノット以上の船舶を高速船と呼ぶそうです。)

1時間弱で目的地のハウステンボスに到着。海側から見るハウステンボスは、非常に大きく、一つの街のようです。オランダのドム教会の鐘楼を再現したランドマークの105mの塔も良い雰囲気を醸し出しており、(何度か行った事があるのですが)本当にオランダに来た様な気持ちになります。ウチの子供もどこぞの外国に来たのかと何度も勘違いしていました。

よくディズニーランドと並び称されるのですが、そのコンセプトは、かなり違うと思います。オランダの街並みを再現した園内は美しく、アトラクションや美術館、コンサート場など様々なスポットが点在しており、一日中アクティブに楽しむ事が出来るのですが、花やアートを愛でながら静かに園内を散策する楽しみ方もあります。ディズニーランドの様な熱狂やメルヘンもあるのですが、もっとリアルで落ち着いた大人の世界も並存しています。ここは、「テーマパークなんて」と思っている方にこそ訪れて欲しい場所です。さて、そうこうしているうちに、ワイン祭りの行われている「ワインの城」にやってきました。

「城」と聞いていたので、どんな城郭があるのかと期待していたのですが、なんのことはない、普通のワインショップです。でも品揃えは中々素晴らしく、日本のワインはもちろん、世界の銘醸ワインが店内狭しと並んでいます。ワインショップが大好きなwinebuffにとっては、数時間粘れる位の品揃えです。フムフム。

これが今回の主役であるワインサーバーです。最近良く見ますが、酸化によるワインの劣化を防ぐ機構を搭載したサーバーで、もっと簡素な個人向け商品も多数販売されていますね。目を凝らすと、お高いワインがガラスの向こうに並んでいます。
今回のワイン祭りは、いわば閉店までの飲み放題コース。ノンアルコールやジュースのコースもあるのですが、ワインテイスティングとしては、以下の3つのコースがありました。

¥5,000のプレミアムコース:希少ワイン2杯 + 高級ワイン10杯 + バイヤーセレクションワイン10種類飲み放題
¥3,000のゴールドコース: 高級ワイン10杯 + 90種類のワイン飲み放題
¥1,000のレギュラーコース:甘いワイン30種類飲み放題

winebuffは、迷わずプレミアムコースをセレクト。だって、希少ワインを2杯で、いやモノによっては1杯で元が取れる計算です。これしかないでしょう。お店のカウンターで各コースの料金を支払うとコース毎に違うタグを貰えます。これを腕に付けておいて、飲み放題のテイスティング時に見せるシステムです。数が限定されているワインについては、カードを1枚づつもらいます。

さあ、試合開始です(笑)!winebuffは、残念ながら諸般の事情によってテイスティングの時間が著しく制限されており、あまりゆっくりもしていられません。まずは、5種類ある希少ワインの中から2種類を選んでテイスティングです。この希少ワインについてだけは、ちゃんとしたグラスでサーブされます。

まず最初のワインは、これ「セーニャ」です。チリの名門ワイナリー「エラスリス」のエデュアルド・チャドウィックとロバート・モンダヴィの合作である、チリのスーパープレミアムワインです。カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローとカルメネールのブレンドワインです。チリワインらしい野性味もあり、ピノの様な獣香も感じられる個性的な味わいですね。本来ならばワインダイアリーに登録すべきなのですが、数も多く量も少ないので、ここで一気に紹介していきます。

お次は、ガヤのカ・マルカンダです。イタリアの著名なワイナリー「ガヤ」がトスカーナのボルゲリで作るスーパータスカン。近年、カベルネ・フラン主体のボルドーブレンドに変更して、更にエレガントで洗練されたワインに。因みにワイン名は、ピエモンテの方言で「望みのない交渉」という意味で、実際ここの畑を手に入れるのに相当苦労されたとの事。ワイン作りにかける情熱が伝わってくる逸話ですね。

ここからは、10種類の高級ワインになりますが、グラスがガラスのワイングラスからプラスチックの小さなカップにグレードダウン。って、この差は、さすがにひどくないですか?余談ですが、香りを嗅ごうと鼻を近づけすぎたので、なんと鼻でワインをすすってしまいました。それを他の人に見られて、流石に恥ずかしかったです・・・。

ワインメーカーであるヴェロニクの長女「ロレーヌ」の名を冠したこのワインは、フランスのドルーアン社がオレゴンで造るフラッグシップワインで、アメリカの晩餐会で供された実績を持ちます。32区画の畑から収穫されたぶどうを別々に醸造してブレンド。4ヶ月の樽熟成と20ヶ月の瓶熟成を経てリリースされる、こだわりのワインです。やや雑味がありましたが、飲みやすい新世界のピノでした。

こちらは、イタリアの大御所、マァジ社がアルゼンチンのメンドーサで作るプレミアムワイン「コルベック」で、醸造には、アマローネやレチョートで培ったアパッシメントの技術を駆使しています。木製の棚で長期間ぶどうを乾燥させて水分を抜き、糖分を凝縮させるアレです。濃厚な果実味が特徴ですが、なぜか草の香りが印象的で、どこか大らかな性格を感じました。

さてお次は、17世紀にイタリアのヴェネト州でワインづくりをはじめた名門ワイナリー、ゾーニン社の「アマローネ」です。先ほどのコルベックよりももっと濃厚で力強い味わい。流石に本家は違います。やや渋みを感じたのですが、そもそもアマローネは、「とても苦い」という意味らしく、(少なくともwinebuff的には)濃甘系の代表とも言えるこのワインにそんな名前が付いていたとは以外です。

イタリアのワイナリーから今度はフランスのワイナリーへ。この「パヴィヨン・ド・レオヴィル・ポワフェレ」は、ご存知サン・ジュリアン第2級、レオヴィル・ポワフェレのセカンドワインです。やや硬さも感じましたが、総じてまとまっている味わい。果実味も十分で雑味も少ない、優等生な味わいでした。

お次のフランスワイン、実は、この「クロ・デュ・ジョゲロン」は、オーメドック以外にマルゴーの名前を持つキュヴェがあります。マルゴーの畑は、たった0.2haで年間1,200本のワインは、2万円程するレアワイン。その数分の一の値段で味わえるオーメドックのキュベは、かなりのバリューワインと言えるでしょう。味わいは、なぜか右岸のような雰囲気で、バランスの取れたミディアムボディでした。注いでもらっている途中でワインが切れたため、新しいボトルをセット。中では、写真の様な管を通しています。

フランスから今度は、スペインへ。「ビーニャ・レアル グラン・レセルバ」は、スペインの有名ワイナリー、クネ社がリリースするプレミアムワインで、1920年に作られたブランドです。スペイン王室御用達の歴史あるワインで、国旗をモチーフとしたロゴに使用を許されている、スペインを代表するワインの一つといっても過言ではありません。このワインも力強いフルボディの味わいで、長期熟成が可能です。

希少ワインと高級ワインは、店内で頂くスタイルですが、バイヤーセレクションワインについては、店外の屋台で飲むようになっています。特設の屋台には、写真のようにこれでもかと言わんばかりのワインの数々。胸が高鳴ります。が、winebuffに残された時間は、あとわずか。この後、ディナーの予定もあるので、今日は、あと少し飲んで退散する事にします。

チリのオーパスワンの異名をとる「インドミタ・サルドス ウルトラプレミアム」は、カベルネ主体の重厚なボディ。これまで飲んだ中で一番美味しく感じました。濃甘系で酸味、渋み控えめ。要は、万人受けする味作り。高級ボルドーに匹敵すると書いてありましたが、流石にそれは言い過ぎとかと。あまりエレガントではなく、どちらかというと素朴な味わいでした。それでもコスパの良いワインだと思います。

本日最後のワインは、イタリアの「パパーレ リネア・オーロ 」です。プリミティーヴォ100%のフルボディタイプ。今日は、濃厚な赤ワインを多く試飲していたため、それほどとは感じませんでしたが、リネア・オーロ(ゴールド・ライン)というだけあって、プレミアムな味わいでした。って、もうコメントがかなりいい加減になっていますが、短時間で色々なワインを飲んでいると、最後の方が記憶が定かでなくなってしまい・・・。おっと、そろそろディナーのお時間のようです。お迎えが来たので、ワイン祭り1日目は、この辺でお開きに。明日は、コースを変えて再度トライする予定です。ではでは。

[winebuff]


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